コンプライアンス
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千葉県が生んだ気骨の言論人、越川芳麿
千葉の銚子が生んだ「知られざる」新聞記者の思想と生涯を紹介したい。越川芳麿(1906~82)の人と思想に関心を持つようになったのは、筑波大学の「歴史地理学調査報告、第10号」に掲載された水谷悟氏の論文「『極東新聞』と越川芳麿―一地方新聞から見る昭和期の銚子」を読んでからである。水谷氏の新資料発掘と調査批評さらには『房総歌人伝』(田辺弥太郎)の「越川芳麿」などを参考にしながら、気骨の言論人・越川芳麿の人生を確認したい。
2019/07/08
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社内不正が起きる理由とその対策
前回はアメリカの犯罪学者であるドナルド.R.クレッシーが唱えた「不正のトライアングル(3要素)」理論を紹介し、企業の不正防止の視点から見た3要素のうちの「動機」「機会」の対策についてお伝えしました。今回は3要素の最後の一つ「正当化」対策について見ていきます。
2019/07/03
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中国でも賄賂は悪、排除へ取り組みを
日本には、「郷に入っては郷に従え」ということわざがあります。当然中国にやってくる日本人駐在員の方も、このことわざを基に「中国に来たのだから、中国のしきたりに従わなくては」と心して来られる方が多いことでしょう。ましてや海外駐在が初めてという方はなおさら、中国と日本のギャップを見つける度におのずとこの言葉が頭をよぎり、「そうだ、そうだ。郷に従わなくては」と中国のしきたりとか慣習に合わせようと努力されることでしょう。
2019/06/28
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嘉納哲学、「精力善用」「自他共栄」を考える
講道館柔道の創始者で東京高等師範学校(現筑波大学)長を20年余りもつとめ同校を日本教育界の「総本山」にまで押し上げた「日本オリンピックの父」嘉納治五郎については、本連載でたびたび取り上げてきた。これは東京オリンピック大会が来年に迫っていることやNHK大河ドラマ「いだてん」の主要人物として登場していることに影響を受けたためと言っていい。そこで今回は哲学者でもある嘉納の根本理念「精力善用」「自他共栄」を考えて我が「嘉納論」の最後としたい。
2019/06/17
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社内不正が起きる理由とその対策
ある時、A社の監査人がBさんの部署の仕訳記入に異常があることに気づきました。責任者として監査人から問い詰められたBさんは、自らの不正行為を告白しました。BさんはC部長と共に改ざんを主導した人物とされ懲戒解雇処分となり、同僚や部下たちにもさまざまな懲戒処分が下りました。Bさんは「上司の要求に屈し、部下を堕落させてしまった」と自らの行動を悔やんでいます……。
2019/06/16
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失敗の3つのパターン
2001年からさまざまな不祥事報道をクリッピングし、危機管理広報の失敗事例を集めています。似たような失敗が繰り返されるので、パターンをまとめています。何でも3つにまとめると覚えやすいので、ここでも3つにしました。「タイミング」「公表方法」「表現」です。今回はこの失敗パターンについて深堀してみましょう。
2019/06/10
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嘉納治五郎、五輪初参加と「英文日記」
東京オリンピック大会が来年に迫り、チケットの抽選販売やNHK大河ドラマ「いだてん」によりムードは高まりつつあるようである。以下は、1世紀余り前のオリンピック物語である。
2019/06/03
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第1回:なぜ中国事業は難しいと感じるのか
この度、機会をいただき新たにコラム寄稿させて頂くことになりました江頭と申します。
2019/05/31
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カスハラ、対策立て泥沼化回避を
エス・ピー・ネットワーク(SPN)は30日、「カスハラ」と呼ばれ、企業へ執拗なクレームや暴言、不当要求などを消費者や顧客が行うカスタマーハラスメントの実態調査について発表。同日に東京都千代田区で記者懇談会を開催した。企業でクレーム対応を行った経験のある会社員1030人を対象にした調査で55.8%が直近3年間でカスハラが増えていると回答。またSPNでは正当なクレームと不当要求を分け、不当要求者対策を立てることが重要とした。
2019/05/30
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勘定あって銭足らず! これが黒字倒産
A社は土木事業を主力としている設立50年を超える中堅建設業です。今から10年前の2009年に東証1部に上場を果たし、近年の全国各地の自然災害に伴う復興事業に加え、東京オリンピック関連事業も重なり、足元の業況はフル稼働が続いている状態で、昨年度決算では200億円を超える売上高を計上しました。 しかしながら、土木事業の好況に伴う人件費の高騰や、砕石や生コンといった資材の供給不足などにより価格が急騰していることから、事業に係るコストが膨らみ続けていました。A社では、今月末に必要とされた運転資金の一部について金融機関に新規借り入れや借り換えを申し込みましたが、銀行担当の財務部長によれば「金融機関の融資姿勢が厳格化されている。特に建設業や不動産業に対する評価は低い」とのことで、拒否される可能性が高いとのことです。
2019/05/27
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嘉納治五郎の精神「自他共栄」再々説
本連載では嘉納治五郎(1860~1938)をすでに数回にわたって取り上げてきた。嘉納の高潔な精神に魅かれるからである。嘉納の略歴を改めて記せば、講道館柔道の創始者であり、学習院教頭をはじめ、第五高等中学(現熊本大学)・第一高等学校(現東京大学)・高等師範学校(東京教育大学を経て現筑波大学)の校長を歴任した、教育者であった。教育を「天職」とする知識人であった。
2019/05/20
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仕事はあれど「人手不足」
A社は正規、非正規を合わせて300人ほどの社員を抱えるビルメンテンス会社です。近年はオフィスビルだけでなく、インバウンド需要に伴ったホテルの建設ラッシュから、客室や共用部分の清掃業務の引き合いも増えてきていて、仕事は引きも切らない状況です。
2019/05/07
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酒井法子さんの謝罪会見に学ぶ6つの要素
自らの不手際や不備により、謝罪をしなくてはいけない場合がありますが、どのように謝罪すれば気持ちが伝わるのかは、案外分からないものです。最近、AAAの浦田直也さんのふらさがり会見について解説を求められ、「声のトーンやせわしない動き」の問題点を指摘しました。そこで思い出したのが、2009年に覚せい剤取締役法違反容疑で逮捕され、保釈されたその日に記者会見を行った酒井法子さんです。私も当時、テレビでこの会見について解説しました。少し古い事例ですが、謝罪が伝わる内容でしたので今回取り上げることにしました
2019/05/06
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災害以外もあらゆる危機情報管理・対応
リスク対策.comは9日、東京都千代田区の明治薬科大学剛堂会館ビルで第4回危機管理塾を開催。ローソンでコンプライアンス・リスク統括室長を務める吉田浩一氏が同社のリスク管理について講演した。
2019/04/19
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教育家・嘉納治五郎の信念
NHK大河ドラマ「いだてん」の主要人物の一人、嘉納治五郎については、講道館柔道の創始者(偉才)として、また先駆的な教育者(学習院教授・第一高校・高等師範学校などの校長)として、これまで紹介してきたが、今回は軍国主義教育に対抗した教育界の指導者として、嘉納の平和主義の信念を考える。
2019/04/15
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広報が連携して謝罪する手もある
2017年、2018年は、大手メーカーによる品質データ改ざんなどの不正問題が相次ぎ報道されました。2006年、2007年にも産地偽装、賞味期限改ざんといったことが起こりました。「うちの業界にも、こうゆう悪い慣例があるな」と思った方は多いのではないでしょうか。今回は、このように業界全体が長年慣習として行ってきたことが突然不正として発覚してしまった時の対応について考えてみましょう。
2019/04/10
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板橋明治、足尾鉱毒事件に決着つけた老闘士
「足尾鉱毒事件は私の<ライフワーク>である」。群馬県太田市在住だった<老闘士>板橋明治(いたばしめいじ)さんのことばである。2014年(平成26年)12月24日、板橋さんが他界されたと聞いた時はショックだった。享年93歳。私は心中で手を合わせしばし板橋さんの精悍な風貌を思い起こし、心から冥福を祈った。<ライフワーク>を成し遂げた板橋さんの生涯をスケッチする。
2019/04/08
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付け焼刃の「働き方改革」対策
2019年4月1日、前年7月に成立したいわゆる「働き方改革関連法」が施行されました。この4月からは大企業のみの適用ですが、2020年4月からは中小企業も対象になることが決定しています。
2019/04/08
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内部通報制度など急がれるパワハラ対策
トーマツは4日、企業リスクに関する記者勉強会を東京都千代田区の同社で開催。シニアマネージャーの中澤可武(かむ)氏がパワハラやEU(欧州連合)の域外企業による企業買収審査の厳格化について解説した。
2019/04/04
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容易な情報入力で企業リスク可視化
GRCSは企業のリスクマネジメントのためのクラウドアプリケーション「Enterprise Risk MT(ERMT)」の販売に注力している。予測されるリスクの発生可能性や重大度などをひとまとめで可視化でき、管理や経営判断に生かせるようにする。
2019/04/04
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薩摩閥三島通庸、土木建築の成果と民衆弾圧
明治期の政治家三島通庸(みちつね、1835~88)ほど、県令(現知事)として勤務した東北地方で評価の極端に分かれる人物も少ない。辣腕(らつわん)政治家三島は初任地山形県では<土木県令>として「後進県」の近代化に尽力し、帝都に通じる道路やトンネルをつくり、同時に県庁など公共施設の近代建築化に果敢に挑んだ。その目を見張る土木建築事業の成果は、恩恵として、また遺産として同県人に高く評価されている。ところが山形県の後に赴任した福島・栃木両県では評価は逆転し、自由民権運動を弾圧する憎むべき<鬼県令>として語り継がれている。悪評ばかりとも言える。
2019/04/01
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安全基準を少しだけ下げて落札した企業
私は、リスクマネジメントの目的はズバリ「会社を倒産させないため」だと思っています。会社が倒産する理由は最終的に「収入」<「支出」という財務的破綻が原因となりますので、リスクマネジメントとは「収入」に係るリスクと「支出」に関わるリスクを管理する手法とも言えます。でも、社長や財務部門だけが考えればいいことではありません。収入や支出に関わるリスクとは、言い換えれば本来あるべき姿との「差」であり、その差を生じさせる要因は、社員一人ひとりの行動にある、その行動を管理するのがリスクマネジメントです。従って、経営への影響を考えないリスマネジメントはあり得ませんし、従業員一人ひとりにどう当事者意識を持たせるかがリスクマネジメント活動の最も重要で、難しい部分にもなります。
2019/03/25
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2時間以内に最初の情報提供をしなさい!
記者は直後から殺到します! イラスト:フォトライブラリーある大手部品メーカーの工場で正午に火災が発生しました。直後から報道各社の記者が一斉に取材に動き出し、17時に同社では謝罪文を配布、記者会見が行われたのが21時という事例があります。
2019/03/14
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戦時下の外交官吉田茂・検挙事件
戦前の英米派外交官吉田茂(後の首相)の戦時下における反軍思想とその苦闘を考える。
2019/03/11
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米中摩擦、関税上昇や製品排除に備えを
トーマツは8日、海外リスクに関する記者勉強会を東京都千代田区の同社で開催。シニアマネージャーの中澤可武(かむ)氏が米中貿易戦争の影響や日系企業の海外リスク管理のあり方などについて解説した。
2019/03/08