酒井法子さんの謝罪会見に学ぶ6つの要素
第4回目 謝罪で失敗しないためには
日本リスクマネジャ-&コンサルタント協会副理事長/社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科教授/
広報コンサルタント
石川 慶子
石川 慶子
東京都生まれ。東京女子大学卒。参議院事務局勤務後、1987年より映像制作プロダクションにて、劇場映画やテレビ番組の制作に携わる。1995年から広報PR会社。2003年有限会社シンを設立。危機管理に強い広報プロフェッショナルとして活動開始。企業・官公庁・非営利団体に対し、平時・緊急時の戦略的広報の立案やメディアトレーニング、危機管理マニュアル作成、広報人材育成、外見リスクマネジメント等のコンサルティングを提供。講演活動やマスメディアでのコメント多数。国交省整備局幹部研修、警察監察官研修10年以上実施。広報リスクマネジメント研究会主宰。2024年より社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科教授。
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自らの不手際や不備により、謝罪をしなくてはいけない場合がありますが、どのように謝罪すれば気持ちが伝わるのかは、案外分からないものです。最近、AAAの浦田直也さんのぶら下がり会見について解説を求められ、「声のトーンやせわしない動き」の問題点を指摘しました。そこで思い出したのが、2009年に覚せい剤取締役法違反容疑で逮捕され、保釈されたその日に記者会見を行った酒井法子さんです。私も当時、テレビでこの会見について解説しました。少し古い事例ですが、謝罪が伝わる内容でしたので今回取り上げることにしました。
謝罪に必要な6つの要素
社会心理学では、4つ、あるいは5つの要素があると謝罪の気持ちが伝わるとされています。私の経験値では、必要な要素は6つです。
初回に述べたポジションペーパーの5項目(1事実関係、2経緯と現状説明、3原因、4再発防止策、5見解)と多少重なりますが、違うのは「経緯」や「原因」といった客観性中心ではなく、「気持ち」を中心にすることです。
詳しくはこちら→■1回目 クライシス・コミュニケーションとは?
何をしたかの事実を述べる。申し訳ない、許されないという後悔の気持ち。自分の何が悪かったのかという反省の気持ち。罪を償いたいという贖罪(しょくざい)の気持ち。二度と起こさないという決意。そして「誰に」というステークホルダーが明確であること。ヒントは十分ですね。以下は、酒井さんの全文です。ご自身で要素を見つけてみましょう。
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