仕事はあれど「人手不足」
第3回 ポイントは職場環境の改善
株式会社フォーサイツコンサルティング/
執行役員
五十嵐 雅祥
五十嵐 雅祥
(一財)レジリエンス協会幹事。1968年生まれ。外資系投資銀行、保険会社勤務を経て投資ファンド運営会社に参画。国内中堅中小製造業に特化した投資ファンドでのファンドマネジャーとしてM&A業務を手掛ける。2009年より現職。「企業価値を高めるためのリスクマネジメント」のアプローチでコンプライアンス、BCP、内部統制、安全労働衛生、事故防止等のコンサルティングに従事。企業研修をはじめ全国中小企業団体中央会、商工会議所、中小企業大学校等での講師歴多数。
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□事例 人手が足りず受注を見合わせ
A社は正規、非正規を合わせて300人ほどの社員を抱えるビルメンテンス会社です。近年はオフィスビルだけでなく、インバウンド需要に伴ったホテルの建設ラッシュから、客室や共用部分の清掃業務の引き合いも増えてきていて、仕事は引きも切らない状況です。
しかしながら、A社ではここ数年人員不足が深刻で、求人を出してもなかなか人が集まらない現状があります。業界の競合も激しく、受注単価も低い状態が続いているためにそれほど給料を上げられないことも理由となり、慢性的な人手不足が続いています。今年に入り清掃員の数が足りずに受注を見合わせるケースも出てきてしまい、このままでは昨年度より業績が落ちてしまうことは明らかです。
A社社長は先日「人手不足倒産件数が過去最高になった」というニュースを目にしました。倒産の理由について「社員の入れ替わりが激しく、採用しても賃金の高い他の企業に移ってしまうなどで長続きしなかった。その結果、慢性的な人手不足と人件費増などで赤字経営に陥ってしまった」と解説されているのを聞いて、決して人ごとではないと思っています。数年後にA社にも同じことが起き得るかもしれません。社長は今後の自社の経営戦略として何を行うべきかということに頭を悩ませています……。
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