真備町川辺地区から生まれた「マイ避難先」という考え方

岡山県の倉敷市真備町は、平成30年に発生した西日本豪雨災害で甚大な被害を受けた地域です。なかでも川辺地区は、地区のほとんどが浸水する大変な被害でした。

その川辺地区で新型コロナウイルス感染リスクが拡大する前から取り組みが進められているのが「マイ避難先」という考え方です。

写真を拡大 川辺地区のみなさんが作成した「マイ避難先」の啓発チラシ

 行政が設置する避難所にこだわらず、避難する先の候補を複数考えておく。避難先が決まれば、どのような手段、ルートで行くか、何を持って行くかなどを具体的に考えることができるようになり、何を備えておけばよいかが明確になります。

 誰もがさまざまな状況を想定した避難先の選択肢を複数用意できていれば、いざという時余裕をもって避難できますね。公的な避難所は、そこしか選択肢がない方のためにとっておく。そんな優しさを共有できる地域になれたらすてきだと思います。

地域にあるものを全部使う

コロナ禍において、避難できる場所はたくさんあればあるほど、人と人との接触機会を減らすことができ、感染リスクを低減させることにつながります。
 
ホテルなどの宿泊施設はまさに避難する場所に適しているといえますね。でもそれだけで足りるのでしょうか。

災害時の感染リスクを低減させるには、同じ地域を共有する全ての方が協力して取り組まなければその効果は得られないでしょう。地域にある資源を全部使って、みんなで「マイ避難先」を確保していく努力が必要だと思います。
 
自社の敷地、取引先の事務所や配送拠点など、一時的に避難できそうな場所はありませんか? もしかしたら営業カーは車中泊に使えるかもしれません。

自社周辺の地域の皆さんは、避難する先に困っていませんか?

皆さんの会社も地域の大切な資源の一つです。ぜひ地域の皆さんと一緒に「マイ避難先」を考えてみてくださいね。