東北地方で発生した水害に接し、被災された皆様が一日でも早く元も生活に戻れますよう祈念いたします。

平成30年7月豪雨災害から6年が経過した7月下旬、東北地方で記録的な大雨が降りました。雨量の多いところでは平年の7月1カ月分の1.7倍余りに達しています。そして、山形県、秋田県では河川が氾濫しました。極端な気象現象により私たちの生活に水の災害はより一層身近になってきています。ぜひ本稿を参考に、引き続き水害への備えをすすめていただきたいです。

本連載では、前号の続きで水害を対象としたBCPについて「水害BCPタイムライン」を用いた検討について紹介します。紹介する様式は、平成30年7月豪雨災害で被害を受けた企業からのヒアリングをもとに磯打らの研究グループ(共同研究者:渡辺研二・名古屋工業大学、酒井直樹・防災科学技術研究所)が作成した「水害BCPタイムライン」です。参考になる様式や手順書は下記に掲載されています。こちらの様式をぜひ手元におきながら読み進めてみてください。

https://www.cgr.mlit.go.jp/takaoda/suigai/

 

左図は検討手順です。今回は「行動手順(水害BCPタイムライン)の作成」をご紹介します。ウエブサイトには、「作成の手引き」を掲載しています。東北で発生した水害の報道映像などご覧になりましたでしょうか。手引きのP4・5にあるように私たちの住居や職場が浸水すると様々な支障が発生します。

このような前提条件をもとに「水害BCPタイムライン(手引きP6)」で検討をすすめます。

①ハザードマップから情報を読み取り、②そこから考えられる身の回りの困りごとを考え、③そのような状況でいつもの仕事を続けるなかで困ることを洗い出し、④必ず継続しなければならない重要な業務を考えてみてください。ここまでが様式の上段です。BCPではいつも行っているすべての仕事を続けるのではなく、その仕事を止めてしまうと事業の継続に影響がある業務に着目して対応計画を検討します。

画像を拡大 出典:水害BCPタイムライン作成の手引きP6