premium
-
サプリメントによる想定外の健康被害に向き合う
製品に本来入っていない成分による健康被害は、医薬品であれ健康食品であれ、経営陣に苦渋の決断を迫るものである。本来入っていないはずの成分であるから、「被害を受けた消費者が、何か別の事由で健康を害した」可能性も否定できない。しかしながら、健康被害が複数寄せられると決断の遅れが命取りになる。健康被害が2件だと赤信号なのか? 3件以上ないと偶然と判断すべきなのか? この見極めは極めて難しい。しかしながらである。健康被害が10件を超えると「あっという間に」100件に爆発的に増加することになりかねない。
2024/04/01
-
危機時にリークを回避すべき理由 宝塚問題からの教訓
急転直下の会見が開催されました。3月28日、昨年に急死した現役宝塚歌劇団員の問題で、阪急阪神ホールディングスの嶋田泰夫社長らが劇団員らによる女性へのパワハラを認めて謝罪したのです。阪急阪神HDは謝罪しましたが、1カ月前に開かれた遺族側弁護士による4回目の会見では過言できない、いや憤りを感じるほどの公表がありました。その会見を紐解きながら、危機時の報道対応のあるべき姿について考えます。
2024/03/29
-
過疎高齢化地域の古い家屋の倒壊をどう防ぐか
能登半島地震の死者のほとんどは、倒壊した建物の下敷きになって命を落とした。珠洲市や輪島市の耐震化率は50%程度と、全国平均の87%に比べ極端に低い。過疎高齢化地域の耐震改修がいかに困難かを物語る。倒壊からどう命を守るのか。伝統的建築物の構造計算適合性判定に長年携わってきた実務者に、古い家の耐震化をめぐる課題を聞いた。
2024/03/28
-
アカデミー賞から学ぶ公の場での立ち振る舞い方
米国の映画界で、つまり世界の映画界で最も名誉ある賞と言っていいアカデミー賞の授賞式は、世界中から注目を集め、毎年何らかの話題を提供してきた。ウィル・スミスが司会者に平手打ちを食らわせた一幕を鮮明にご記憶の方も多いだろう。そして今年も、耳目を集める“事件”が起きた。
2024/03/25
-
第43回 テクノロジーの辻風は吉(前編)
データ、コンピュータ、通信などに関する関連法令や規制は世界中で増えるばかりで、まるで津波のように押し寄せては、企業各社に時間的、金銭的な負荷を増やしています。加えて、この一年半ほどは、規制もどこ吹く風とばかりに、生成AIという新しいテクノロジーの辻風が吹き荒れています。
2024/03/23
-
対岸の山火事は"対岸の火事"か?
今回は気温上昇が引き起こす脅威として「山火事」を紹介します。湿度の高い日本では森林火災は起きにくいと言われていますが、過去の経験が当てはまらないのが、気候変動がもたらす災害の特徴。ひとたび大きな山火事が起きれば都市火災と同じような被害が出る可能性があり、とくに人の健康や旅客・貨物輸送への影響はビジネスにも深刻です。
2024/03/21
-
早春の嵐――3月の気象災害――
3月の気象の特徴を一言で述べよと問われたら、何と説明するか。「天気が変わりやすい」「周期変化」「気温の変化が大きい」などの説明が並びそうだ。風についてはどうか。3月は風が強いというイメージを抱いている読者はおられるだろうか。本稿では、気候表に基づき、春の風の吹き方について考察してみる。
2024/03/20
-
発災20分で対策本部をスタートする初動体制
総合スーパーやショッピングモールなど全国各地のイオン系列の施設を中心に設備管理、警備、清掃をはじめとしたファシリティマネジメント事業を展開するイオンディライト(東京都千代田区、濵田和成社長)。元日に発生した能登半島地震では、発災から20分後にオンラインの本社災害対策本部を立ち上げ、翌2日は現地に応援部隊を派遣し、被害状況の把握と復旧活動の支援を開始しました。
2024/03/18
-
第244回:緊急事態下でのコミュニケーションに関する実態調査(2024年版)
今回紹介するのは、緊急事態下でのコミュニケーションに関する実態に関する調査報告書。緊急事態におけるコミュニケーションのためのシステムもSaaS(Software as a Service)化が進んでいる状況が示されている。
2024/03/13
-
2024年のトップ5グローバルリスク
AIツールが注目を集めている。実際の仕事に組織として活用するというところまでに進んでいる組織は少ないかもしれない。とはいえ、多くの従業員は、組織がゴーサインを出す前に、実際に自分の仕事で活用を試みることがあるかもしれない。AI使用に関する企業としての方針を待たず、潜在的なリスクを完全には理解せずに、利用している従業員がある程度存在することは容易に想像できる。
2024/03/12
-
海外出張時の安全対策
現地の治安情勢を事前に把握して治安の悪い場所に近づかない、というのが安全対策の基本です。しかし、海外出張における安全対策をより確実にするためには、それ以外にも事前準備や現地での行動が重要になります。海外出張時、渡航者本人はビジネスの商談、調整、報告、記録作成などで頭が一杯かもしれません。しかし、安全対策の観点から、渡航者本人が気をつけるべきポイントを説明します。
2024/03/12
-
能登の復興は日本のこれからを問いかける
半島奥地、地すべり地、過疎高齢化などの条件が、能登半島地震の被害を拡大したとされています。しかし、そもそも日本の生活基盤は地域の地形と風土の上に築かれ、その基盤が過疎高齢化で揺らいでいるのは全国共通。金沢大学准教授で石川県防災会議震災対策部会委員を務める青木賢人氏に、被害に影響を与えた能登の特性と今後の復興について聞きました。
2024/03/10
-
ESGによって見直しが迫られるリスク管理
将来の企業価値に影響を及ぼす非財務要素(ESG)の台頭により、リスク管理が新たな局面を迎えている。企業が今後の重要テーマである気候変動リスクや生物多様性リスクについて検討する場合において、改めてERMの機能や構造を検証することが重要と考えられる。
2024/03/09
-
仕掛けと工夫がなければ舞台はまわらない
BCPで規定した計画と現実との間のギャップを抽出し、多くの企業に共通の「あるある」として紹介、食い違いが生じる原因と対処を考える本連載。第2章では「BCPの実効性、事業継続マネジメント、発生コスト」のなかに潜む「あるある」を論じています。前回に続き、今回もBCPの実効性に関連して初動・災害対策本部の「あるある」を取り上げます。
2024/03/08
-
世界中で「食糧危機」「水危機」の予兆が⁉
高温、干ばつにより世界中で小麦や果実、野菜の不作が続き、熱波が原因とみられる家畜の死亡も増加。漁場では馴染みの魚の漁獲量が減り新顔が増えています。水不足も、国内はこれまで比較的短期間で解消されてきましたが、欧州では水運停止、水力発電量減少など経済に影響が出ています。「食料危機」「水危機」が現実味を帯びてきたかもしれません。
2024/03/07
-
造成地や砂丘地域に液状化被害が集中した新潟市国や自治体のハザードマップ活用を
能登半島地震では、震源地から離れた新潟県新潟市で震度5強を記録した。新潟市の被害で顕著だったのが液状化だ。砂の吹き出した痕跡がそこかしこに見られ、地面の陥没、盛り上がりが多数発生。多くの住宅が影響を受けた。液状化を専門とする新潟大学助教の保坂吉則氏に新潟市の液状化について聞いた。
2024/03/07
-
従業員にフェイクニュース問題を説明するポイント
インターネット上での偽情報の拡散が深刻な問題になっています。今回は、フェイクニュースが広がりやすい理由や対策について考えます。
2024/03/06
-
燃えやすい木密地域で消火活動が困難に
2024 年の幕開けを襲った能登半島地震。輪島市の朝市通り周辺で発生した火災は、消火できずに拡大する延焼が中継され、地震火災の恐ろしさを突きつけました。日本火災学会の調査として現地に入った東京大学先端科学技術研究センター教授の廣井悠氏に、輪島市の大火について聞きました。
2024/03/01
-
ビッグモーター問題、損保ジャパンの報告書と記者会見
損保ジャパンと親会社のSOMPOホールディングスは、ビッグモーターによる自動車保険の不正請求問題について記者会見を1月26日に開催しました。1月16日に最終報告書が提出され、金融庁からも25日に業務改善命令が出されました。筆者がこの問題で着目したのは最終報告書で明らかにならなかったこと、会見出席者から推測できる今後の説明責任の変化です。
2024/02/29
-
相次ぐ爆破予告、企業に求められる対策
東京・多摩市にあるテーマパーク「サンリオピューロランド」が2月24日、「危険物を置いた」という趣旨のメールが届いたことから、同日の営業を取りやめた。同日中に警察と連携し安全確認ができたとして、翌25日には営業を再開したが、近年、大学などに対する爆破予告なども増えており、企業としても、こうしたイタズラ行為や、脅迫メールなどへの対策が求められそうだ。
2024/02/26
-
いつどこの国でも大規模水害に見舞われる
近年の顕著な災害をもたらした大雨・洪水についても、一定程度は地球温暖化の影響があったことがわかってきています。そしてその大雨・洪水被害は、特定の地域だけでなく、世界中で発生しています。当然ビジネスへのダメージは大きく、特に製造や輸送への影響は甚大。それがいつどこの国でもあたり前に起こり得る状況になってきています。
2024/02/22
-
東京の大雪――2月の気象災害――
東京の大雪は2月に多い。これは、東京に大雪を降らせる南岸低気圧が2月に現れやすいことに起因している。今回は、東京の過去の大雪事例を観察し、留意すべきポイントを確認する。
2024/02/22
-
第243回: 地球規模の気候変動を踏まえつつ自然災害を総括した報告書(2024年版)
世界最大級の保険・再保険ブローカーであるAonが、1年間に発生した自然災害の被害規模や発生状況のトレンドなどをまとめた報告書の2024年版。2023年に起きた自然災害では、トルコ・シリア地震が死者数と経済損失の両方でトップ、保険金支払額でも2位となっている。
2024/02/21
-
製造を止めない全社的SCRMを展開
電気設備を製造・販売するパナソニックエレクトリックワークス社(大阪府門真市、大瀧清社長)は、発災時にも製品の製造を止めないサプライチェーンリスクマネジメントに取り組んでいます。重要な製品や部品を整理し、メーカーや製造拠点の詳細な情報まで把握。代替情報を加え、動き出しのスピードアップを実現しました。元日に発生した能登半島地震でも素早く対応し、製品製造に大きな影響はありませんでした。
2024/02/21
-
従来の防災から脱却しBCMを強化
大手建材メーカーのYKK AP(東京都千代田区、魚津彰社長)は防災から脱却し、BCMの強化に乗り出しています。国内外の全拠点でBCPの策定が完了。 次の段階として指針を改訂し、教育や訓練を見直しました。 組織横断的に活動できる体制を整え、全社的な展開を促しています。 幸いにも、元日に発生した能登半島地震では富山県内にある拠点で大きな被害はなかったが、改善に取り組んでいます。
2024/02/20