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今回は、ITセキュリティに関するさまざまなソリューションを提供しているRadware社が2024年2月に発表した「2024 Global Threat Analysis Report」を紹介させていただく。

本連載では2022年4月に、同報告書の 2021-2022 年版を紹介させていただいた(注1)。今回も調査方法は同様で、同社の製品やサービスによって2023年の間に収集された、さまざまなサイバー攻撃に関するデータを分析した結果をまとめたものである。

なお本報告書は下記URLにアクセスして、氏名やメールアドレスなどを登録すれば、無償でダウンロードできる。
https://www.radware.com/threat-analysis-report/
(PDF 59ページ/約 7.7 MB)


本報告書の大まかな構成は次のようになっており、全体的なトレンドの解説の後に、攻撃の種類ごとのデータと解説が続いている。

・ Major Trends in the Threat Landscape
・ Network-level Attacks in 2023
・ Application-level Attacks in 2023
・ Network Scanning and Exploit Activity in 2023
・ Unsolicited Network Activity in 2023
・ Hacktivist Attack Activity in 2023

最初のセクションである全体的なトレンドの解説では、最初に2ページにわたってAIの影響について扱われているのが興味深い。例えば攻撃側がより発達したAIを活用することで、オープンソース・ソフトウェアの脆弱性をより多く発見できるようになったり、より洗練された攻撃手法の開発が可能になったりすることなどが指摘されている。

もちろん防御側においても、AIによる生産性の向上の恩恵を受けられる可能性はあるが、攻撃側の進歩を上回るペースで防御側が対策を高度化できるのかが今後の焦点となるであろう。