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リスクは連鎖する!
持続可能な開発目標の達成に向けて
2019年の金融・世界経済に関する首脳会合は、それぞれの形態は少しずつ違うが、1月下旬の世界経済フォーラム(ダボス会議)から始まり、6月28日~29日のG20 大阪サミット、そして8月24日から26日の先進7カ国(G7)首脳会議と続いた。その直後の8月28日から30日まで、第7回アフリカ会議横浜大会(TICAD=Tokyo International Conference on African Development)も開催された。それぞれの会議において共通の目標として、“持続可能な開発目標/SDGs=Sustainable Development Goals”があり、2030年を年限とする17の国際目標の達成をすることで、『誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会』の実現を目指している。
2019/11/07
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企業をむしばむリスクとその対策
取引先の人権問題が発注元の売上にも影響
ある年、A社の部品サプライヤーであるB社の東南アジアの工場で、外国からの出稼ぎ労働者との間で、労働待遇を巡ってトラブルが発生しました。労働者が不公正な処遇の改善についてB社側に求めたところ、会社から脅しがあったと訴え、さらには労働者を支援する人権活動家も現れて、B社との間で訴訟となったのです。当時、B社工場の所在国(東南アジア某国)の法律では、出稼ぎ労働者に対する処遇は違法とは言えないもので、裁判においてはB社が勝訴する判決が下されました。
2019/10/30
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危機発生時における広報の鉄則
記者からの質問に適切に答えられますか?
注目の記者会見があると、報道関係者から会見についての解説依頼が私に入ります。記者会見のプロがいることに彼らが気付き始めたからです。最近であれば、関西電力の記者会見について解説をしましたが、話の組み立てや回答から彼らはトレーニングを受けていないと感じました。皆さんは、メディアトレーニングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。私はこのトレーニングのプロで20年近くの経験があります。一方、2015年、東証と金融庁は、コーポレートガバナンスコードの中に「取締役・監査役のトレーニング」の必要性を明記しました。私は取締役こそ、メディアトレーニングを含めるべきだと考えています。今回はトレーニングの必要性について解説します。
2019/10/18
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リスクは連鎖する!
南海トラフ地震に向けたリスクファイナンス
今後30年間での発生確率80%――よく知られる南海トラフ地震の発生確率であるが、実際に起こる損害をイメージすることは難しい。地震発生時には、東海、近畿、四国、そして九州2県で約9割の停電と一帯のライフライン遮断が予想されるため、サプライチェーンへの影響は必至であり、一企業だけでは対策に限界があることは 明らかである。
2019/10/13
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企業をむしばむリスクとその対策
従業員のSNS書き込みで大損害
女子大生のAさんは、東京都内にあるXホテルの飲食店でアルバイトをしています。Xホテルは都内でも最高級レベルのホテルであり、宿泊客のみならず、飲食店にも著名人と言われる人たちが数多く来店します。Aさんがアルバイトをしていたある日、その飲食店に有名な男性スポーツ選手と女性芸能人がカップルで来店したことがありました。そこでAさんは自身のツイッターに「男性(実名)と女性(実名)がご来店。」と投稿したのです。さらに「今夜は2人で泊まるらしいよ。 お、これは…(どきどき笑)」などの投稿を行ったことからツイッター上で話題となり、瞬く間に拡散されていきました。
2019/09/25
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危機発生時における広報の鉄則
「私は〇〇をして責任を取ります」
18年前、私がリスクマネジメントを勉強し始めたときに、ある金融機関の広報部長がこうつぶやきました。「ああ、大変な時代になった。前は責任なんか取らなくてもよかったのに、今は責任を取らなくてはいけない時代になった。生きにくいよ」。この言葉はいつまでも違和感として私の中に残りました。「責任を取らなくていい時代なんてあったのかな?」と。以来、責任とは何か、と考えながら不祥事の結末を追いかけるようになりました。今回は、経営責任の取り方について考えてみましょう。原稿を書き始めたら、日産の西川社長の辞任ニュースが飛び込んできました。皆さんと一緒に考えるちょうどよいテーマとなりました。
2019/09/19
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企業をむしばむリスクとその対策
戦略的にリスクをテイクする!
一部上場企業である製造業A社のリスク担当部署に、Bさんはこの4月に着任しました。 A社ではこれまでリスク担当部署が中心となり、内部統制やコンプライアンス体制の整備、BCP(事業継続計画)の策定などを行ってきました。 近年A社では、社長が「攻めのリスクマネジメント」ということを言っています。というのも、東京証券取引所が規定した「コーポレートガバナンスコード」によって、上場企業の取締役会等の責務として「経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと」が決められたため、社長が口にするようになったということでした。コーポレートガバナンスコードは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上のための自律的な向上を行うことを企図して策定され、各企業は、中長期的・継続的にコーポレートガバナンスの改善および最適化を図らなければならないとされているものです。
2019/08/27
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企業をむしばむリスクとその対策
突然の脅迫文! その時すべきことは?
2000年6月某日朝、製薬メーカーA社宛てに1通の速達郵便が届きました。 封筒には「現金2000万円を支払わなければ、異物を混入した目薬をばらまく」と書かれた脅迫文と共に、A社製の目薬が同封されていました。その目薬は2層に分離している状態で、肉眼でも異物が混入されたものだと判るほどでした。 A社は目薬の販売では国内トップの地位を占める製薬メーカーで、脅迫文が送られてきた6月は、海水浴やプールが徐々に始まる時期で目薬の需要も増えるため年間総売上のおよそ3割を占めるというA社にとっては書き入れ時といってもいい重要な月でした。
2019/07/25
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リスクは連鎖する!
プラスチックごみの問題と人為的環境災害リスクの連鎖
2019年1月中旬に世界経済フォーラムが発表したグローバルリスク報告書2019年版によると、環境関連リスクが、発生の可能性では上位5のリスクのうち3つを、影響では4つを占めていると発表された(図1参照)。サイバーや地政学リスクに対する関心は個社のビジネス成長を阻害するものとして関心度は高くなっているが、一方、地球環境を大きく悪化させている人為的な環境災害に対しても世界全体が足並みをそろえて解決策を考え始めているのも最近の潮流である。本編では、先日5月10日に採択されたバーゼル条約の改正案を紹介すると共に、人為的な環境災害のリスク連鎖の脅威を説いて、問題の解決の方向性を示すこととする。
2019/07/05
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企業をむしばむリスクとその対策
社内不正が起きる理由とその対策
前回はアメリカの犯罪学者であるドナルド.R.クレッシーが唱えた「不正のトライアングル(3要素)」理論を紹介し、企業の不正防止の視点から見た3要素のうちの「動機」「機会」の対策についてお伝えしました。今回は3要素の最後の一つ「正当化」対策について見ていきます。
2019/07/03
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企業をむしばむリスクとその対策
社内不正が起きる理由とその対策
ある時、A社の監査人がBさんの部署の仕訳記入に異常があることに気づきました。責任者として監査人から問い詰められたBさんは、自らの不正行為を告白しました。BさんはC部長と共に改ざんを主導した人物とされ懲戒解雇処分となり、同僚や部下たちにもさまざまな懲戒処分が下りました。Bさんは「上司の要求に屈し、部下を堕落させてしまった」と自らの行動を悔やんでいます……。
2019/06/16
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企業をむしばむリスクとその対策
勘定あって銭足らず! これが黒字倒産
A社は土木事業を主力としている設立50年を超える中堅建設業です。今から10年前の2009年に東証1部に上場を果たし、近年の全国各地の自然災害に伴う復興事業に加え、東京オリンピック関連事業も重なり、足元の業況はフル稼働が続いている状態で、昨年度決算では200億円を超える売上高を計上しました。 しかしながら、土木事業の好況に伴う人件費の高騰や、砕石や生コンといった資材の供給不足などにより価格が急騰していることから、事業に係るコストが膨らみ続けていました。A社では、今月末に必要とされた運転資金の一部について金融機関に新規借り入れや借り換えを申し込みましたが、銀行担当の財務部長によれば「金融機関の融資姿勢が厳格化されている。特に建設業や不動産業に対する評価は低い」とのことで、拒否される可能性が高いとのことです。
2019/05/27
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企業をむしばむリスクとその対策
仕事はあれど「人手不足」
A社は正規、非正規を合わせて300人ほどの社員を抱えるビルメンテンス会社です。近年はオフィスビルだけでなく、インバウンド需要に伴ったホテルの建設ラッシュから、客室や共用部分の清掃業務の引き合いも増えてきていて、仕事は引きも切らない状況です。
2019/05/07
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企業をむしばむリスクとその対策
付け焼刃の「働き方改革」対策
2019年4月1日、前年7月に成立したいわゆる「働き方改革関連法」が施行されました。この4月からは大企業のみの適用ですが、2020年4月からは中小企業も対象になることが決定しています。
2019/04/08
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容易な情報入力で企業リスク可視化
GRCSは企業のリスクマネジメントのためのクラウドアプリケーション「Enterprise Risk MT(ERMT)」の販売に注力している。予測されるリスクの発生可能性や重大度などをひとまとめで可視化でき、管理や経営判断に生かせるようにする。
2019/04/04
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企業をむしばむリスクとその対策
安全基準を少しだけ下げて落札した企業
私は、リスクマネジメントの目的はズバリ「会社を倒産させないため」だと思っています。会社が倒産する理由は最終的に「収入」<「支出」という財務的破綻が原因となりますので、リスクマネジメントとは「収入」に係るリスクと「支出」に関わるリスクを管理する手法とも言えます。でも、社長や財務部門だけが考えればいいことではありません。収入や支出に関わるリスクとは、言い換えれば本来あるべき姿との「差」であり、その差を生じさせる要因は、社員一人ひとりの行動にある、その行動を管理するのがリスクマネジメントです。従って、経営への影響を考えないリスマネジメントはあり得ませんし、従業員一人ひとりにどう当事者意識を持たせるかがリスクマネジメント活動の最も重要で、難しい部分にもなります。
2019/03/25
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GRCS、予測される企業リスク可視化
GRCSは22日、企業のリスクマネジメントのためのクラウドアプリケーション「Enterprise Risk MT(ERMT)」の提供を開始した。予測されるリスクの発生可能性や重大度を可視化し、管理や経営判断に生かせるようにする。
2019/01/23
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多拠点企業の危機管理をクラウドで
企業のリスクマネジメントを管理するITツール「ERM(Enterprise Risk Management)」の開発を手掛けるGRCS(ジー・アール・シー・エス)は22日、全社リスクマネジメントに特化したクラウドアプリケーション「エンタープライズリスクMT」を2019年1月から提供開始すると発表した。本提供を前に現在トライアルユーザー企業を募集している。
2018/10/26
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【講演録】「想定外」を乗り越える、多層リスク管理を
企業がリスクマネジメントを考える際、日本では地震・火災・事故・テロ・感染症など、被害の上流にある「原因」まで遡って対策をとることが多くあります。実際、火災が起きたあとの対策を考えるよりも、火事が起きない準備をすることが一番効果が高いのです。
2018/09/10
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サイバー攻撃や自然災害時の対応支援
NTTアドバンステクノロジは20日、サイバー攻撃や自然災害などの危機対応のマネジメントを統合的に支援するウェブシステム「@Rispida(アット・リスパイダ)」の提供を4月2日から開始すると発表した。サイバー攻撃発生時や、風水害、地震などの自然災害発生時に、災害状況の迅速な把握や災害対応の判断支援を行い、平常には業務を効率化ができる。
2018/03/23
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人材不足・長時間労働のリスク懸念上昇
有限責任監査法人トーマツ内にあるデロイト トーマツ 企業リスク研究所は1月31日、日本国内に本社をもつ上場企業を対象に、「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査 2017年版」の結果を公表した。 前年の同調査と比べ、今回は人材不足や長時間労働に対する労務問題に対するリスク意識が高まる結果となった。
2018/02/06
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海外顧客の要求に応える(SCREENグループ)
半導体の製造装置や液晶テレビなどに使われるフラットパネルディスプレー製造装置などの開発を手がけるSCREENグループは、国内ではいち早くEHSの取り組みをスタートさせ、現在グループ全体で環境と労働安全、さらには防災・事業継続を一体的に推進している。理由は海外のメイン顧客である半導体メーカーからの国際標準に準拠したさまざまな活動の要求だった。
2016/09/26
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リスクマネジメントとITセキュリティ
「リスク管理のない経営は、目をつぶって高速道路を運転するようなもの」 これは弊社の社外取締役監査等委員から言われている言葉だ。スピード経営が求められているが、スピードを出すだけで事故を起こしてしまっては全く意味がない。
2016/06/27
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トップページだけは落とさない
厳しい残暑が続く8月の末、ヤフー本社が入居する港区の東京ミッドタウンでは、大規模な実働訓練が行われた。首都直下地震により東京全体が大きな被害に見舞われ、ミッドタウンでも震度6強の揺れにより事業の継続が困難な状況に陥ったとの想定で、被災者の救出、被害状況の確認、そして主要事業であるYahoo!Japanトップページの運営を北九州の支社で継続させるというもの。訓練は、代表取締役社長(CEO)、最高執行責任者(COO)をはじめ、全社員のうち9割が参加する規模で行われた。
2015/01/25