再考・日本の危機管理-いま何が課題か
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限定的なリスク想定で再発防止はできるのか
前回までは、暗殺事件後に生じた国葬儀に関する反対運動、政治と宗教の問題について、危機管理・リスク管理の視点から論じてきました。今回からはそこからいったん離れ、事件と直接的に関わる警備・警護、捜査による真相解明の問題点について触れていきます。何が問題だったのか、その後の対応に問題はないのかを論考します。
2022/10/11
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宗教と政治の関係健全化は永遠の課題
宗教と政治の関係は、中世の頃から為政者の課題となってきました。宗教のもつ精神の救済という側面が統治に使われる半面、排他的な側面が攻撃性を帯びた際にはこれを切り離せることが重要です。多くの宗教を受け入れ融合してきた歴史を前提にしたとき、日本社会に適応する宗教と政治の健全なあり方とは。今回はこのテーマを論考します。
2022/09/26
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論理性を見失った危機対応の危うさ
安倍元首相暗殺事件が、いつの間にか旧統一教会と政治の問題にすり替わっている状況です。カルト宗教問題、政教分離、霊感商法の是非は検討が必要ですが、それは別途検討としていったん置き、危機管理対応、危機コミュニケーションの視点で考え直す時期が来ています。今回はその点を論考します。
2022/09/09
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国葬の評価は事後に検証含めて行うべき
安倍元首相の国葬儀の賛否をめぐり、国論が2分されています。閣議決定された事項に国内世論がこれほど揺れている事実は、国際社会からの信頼にも影響しかねません。現時点では国葬儀を最大限成功させ、弔問外交やインバウンド経済施策を目指し、事後に結果を検証し賛否を次の民主的選択に委ねるというスタンスから、国葬儀について論じます。
2022/08/26
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国際社会や安全保障の観点からの議論が欠如
安倍元首相暗殺事件の真相はいまだ闇に包まれ、一方で情報環境は混沌としています。こうした状況では情報の精査・分析を確実にし、デマに振り回されない冷静な行動が必要。そのためには情報への向き合い方に注意し、論理的思考を強化する姿勢が求められます。この姿勢は、国家運営はもとより、企業の危機管理においても重要となるでしょう。
2022/08/12
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真正の学者といえども偏向から逃れられない
今回は学術界が発信する情報を取り上げますが、真正の学者といえども偏向のリスクから逃れられません。同質性・閉鎖性が高い組織では、派閥による力学が働くからです。多様な学説が自由に戦わされるべき学術界の言論が偏向してしまうのは忌々しきことですが、だからこそ論理性を保った姿勢で個々の情報に触れ、自ら思考する必要があります。
2022/07/28
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自称専門家を重用するマスメディアの弊害
そもそも専門家とは、どのような人をいうのか。実は明確な定義はなく、よって専門家はすべからく自称といえます。もちろん、自称専門家が何らかの分野で自身の見解を語ることは自由です。しかし、その見解を金科玉条の如くメディアが扱うことには弊害がある。そしてその弊害は、いまや無視できないほど大きくなっています。
2022/07/12
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地上波メディアと専門家の相互依存関係
前回は専門家の発信について、正確性にこだわるあまり逆に分かりにくく誤解を招くケースを紹介しました。今回は、学術的に純粋な解説ではなく、別の目的・意図を持って発信されるケースを考えます。これはマスメディアの特性と絡んだ、ある意味、最も問題のある行為と思われ、我々はよほど注意して自己防衛する必要があります。
2022/06/24
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センセーショナルな言葉だけ切り取られる
専門家の発言にはいくつかのパターンがあり、それを前提とした思考がなされないと、すべて鵜呑みにしてしまいがちです。専門家の発言といえども鵜呑みにすることには危険がともなうと、これまで述べてきました。パターンは複数ありますが、今回は表現の正確性にこだわるがゆえに一般に分かりにくく、誤解を招くケースを紹介します。
2022/06/08
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専門家の発言を鵜吞みにしてよいのか
昨今の報道は、専門家と称する人たちがあらゆる事案に解説を加えます。しかし、その言説はどこまで信用に値するでしょうか。コロナに関する感情的世論が醸成されたのは、メディアが視聴率を稼ぐために専門家を都合よく利用した結果といえます。そうした偏向情報から自己を防衛するには、専門家の解説であっても妄信しない姿勢が必要です。
2022/05/26
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本音で語らなければ同じ事故がまた起きる
知床観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」の悲惨な事故に対し、杜撰な安全管理や意識の低さなど、会社の責任を追及する厳しい声が続出しています。もちろん、会社の責任は免れようのない事実。しかし、感情的な攻撃・糾弾だけでは本質的な問題に向かうことができません。今回は再発防止の観点から、この事故の問題点を検証します。
2022/05/06
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「GoTo=感染拡大」という意図的な誤誘導
感染者を特定、隔離して拡大を防ぐのは感染症対策の基本。しかし「だから行動規制が必要」とするのは論理の飛躍です。状況を客観的に見る限り、強力なロックダウンでなければ感染抑止の効果があるとはいえない。にもかかわらず「人流=感染拡大」の煽りはやまず、GoToトラベルなどは中断に追い込まれました。コロナ対策としての行動規制を考えます。
2022/04/25
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目的・効果論に立てば全員マスクはもう不要
マスクに対する議論が活発になってきました。3月に開催されたG7の映像を見て分かる通り、世界ではもうノーマスクが主流。岸田首相は現地ではマスクなし、帰国すればマスク着用という不可思議な構造です。これが日本国内で適切に議論した結論であればいいですが、実際は感情論に支配された結果に過ぎません。目的・効果論からマスクの問題を考えます。
2022/04/11
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「コロナ非関連死」の数をもう無視できない
一般に入手できるオープンデータからコロナ死の実態を見てみると、状況の明らかな変化が分かります。第5波以降、陽性者は増えても致死率は低下し、重症者数も大きく減少。その結果、死者の大多数を今まで以上に高齢者が占めることとなりました。逆にいえば、高齢者以外のリスクは今まで以上に低下しています。基準を変えるときに来ています。
2022/03/26
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ワクチンの「未成年接種」をどう考えるか
厚労省のホームページなどには、個々のワクチン接種の判断に役立つ客観的情報が提示されています。しかし一般の人がなかなか辿り着けず、一部の偏向情報に浸って空気感による同調圧力が支配的になっているのが現実でしょう。そうしたなか、ワクチンの「未成年接種」をめぐる意見広告が全国紙に掲載されました。今回はワクチン接種の判断における情報環境の重要性を考えます。
2022/03/08
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なぜ弊害ばかりのPCRに安心を求め続けるのか
メディアは感染を抑止できない政府批判のやり玉として、当初からPCR検査の徹底を叫んできました。年末年始、検査センターに長蛇の列ができるほど、多くの国民はいまだPCR検査に安心を求め続けています。しかし、徹底検査を実施して感染を抑止した例は世界中どこにも存在しません。そもそもPCR検査とは何か、なぜコロナ診断に用いるべきではないのか、あらためて考察します。
2022/02/23
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メディアに流されない論理性が企業も必須
メディアが伝える情報の偏向性は世界中で問題視されています。トランプ前米大統領は虚偽を事実のごとく伝える問題性を「フェイクニュース」と称しましたが、公平・公正を建前としながら虚偽事項の拡散が常態化している日本はさらに問題。特に危機管理にとってこの環境は極めて危険です。今回はフェイクニュースへの対抗策を論考します。
2022/02/10
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声を上げないことが過激な世論を助長する
5回にわたり日本の危機管理の課題、問題性を指摘し、改善の方向性を示しつつ、自己防衛の考え方を示してきました。今回はその総括として日本の新型コロナ危機管理が変遷していった過程とそのなかでの企業の対応を振り返り、いま直面する課題を考察するとともに、解決への糸口を探ります。
2022/01/29
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インフォデミックと大衆迎合政治の危うさ
日本のコロナ被害は諸外国と比べ小さく、評価に値するはずですが、安倍政権も菅政権も批判され続けました。政権攻撃を目的とした情報の拡散がインフォデミックとなり、国民の世論が誘導され政策遂行のブレーキとなるのは、民主主義の問題といえるでしょう。そのなかで、政治がおかした本当の失策と国家運営に残した禍根、企業・個人がとるべき防衛策を論考します。
2022/01/17
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感情的な安心の追求が逆にリスクを招く
徹底したPCR検査を求める世論がこれほど広まった背景には、感情論の「安心」を、科学的根拠を無視していたずらに求める風潮があります。そしてこの風潮に乗って徹底検査を進めた結果、かえって感染拡大リスクを増大させる――PCR検査の持つ性質を考えれば、けっして突飛な話ではありません。今回も、コロナ対策に欠如しているものを考察します。
2021/12/28
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無差別徹底検査による隔離措置の是非
日本の新型コロナ対策を諸外国と比較して語る際に避けて通れないのがPCR検査です。徹底検査を行った諸外国が感染拡大に苦しみ、当初十分な検査ができずその後も必要分の検査に留めた日本の感染が穏やかだったのはなぜか。「他への感染抑制」「確定診断による適切な治療」という2つの目的から、PCR検査の有効性を検証します。
2021/12/14
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「医療継続計画」が存在しなかった虚しさ
諸外国に比べ桁違いに穏やかな感染状態で、なぜ日本は医療崩壊が起きたのか。3.11以降、日本企業ではBCP意識が高まり、相応の努力が払われてきましたが、当の医療業界がどれほどの理解をもって取り組んできたかは検証の余地が多くあります。最悪の事態を想定しても、それに対する「医療継続計画」が存在しなければ意味はありません。医療業界のBCPを考察します。
2021/11/28
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臨床医療は世界最高も弱すぎた危機体制
新型コロナウイルスが沈静化しています。つい先日までの混乱が忘れ去られたかのようですが、2年近くに及ぶ対応で経済・社会が大きな傷を負ったのは確実。失敗に学び次の危機に備えるため、日本のコロナ対策と危機管理は何が問題だったのか、世間の認識は正しかったのか、インフォデミックはなぜ起きたのか、独自の視点で総括します。
2021/11/14
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過剰なコロナ対策が逆に健康を阻害する
コロナ禍により当たり前のことが当たり前でなくなっています。その一つが従業員の健康管理。もちろん各企業は手洗い、うがい、手指消毒などを促し適切な健康管理を奨励してきましたが、一方で恐怖を煽る連日の報道と先の見えない行動制限が個人の不安とストレスを増幅し健康を阻害するという矛盾した環境があることも否めません。従業員の健康管理に企業がどう関わるべきかを考えます。
2021/10/25
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「情報」の正確な把握が最重要である
日本企業を取り巻くさまざまな環境変化に着目し、歴史的・文化的な背景もふまえながら、危機管理・リスク管理の課題を再発見していくシリーズ。いま置かれている状況を正しくつかみながら、次なる危機への備えを考えます。第1回は、総論として新型コロナ感染症とは何だったのか。最重要課題として浮き彫りになった『情報』の危うさ・不確かさについて論考します。
2021/10/12