能登半島地震への対応の課題

リスク対策.comでは、今年1月1日に発生した能登半島地震についても、アンケート調査を実施した。

能登半島地震アンケート調査

北陸4県に本社や支社など自社施設を持つ企業(有効回答数250)を対象に、災害対応における課題を聞いたところ、「休日の災害対応ルールが徹底されていなかった」が2.55で最多となった(5段階評価で、点数が5点に近いほど課題が大きい)。次いで「社員の防災意識が低かった」(2.47)、「休日の災害対応ルールが決まっていなかった」(2.46)、「物流が遅延・中断した」(2.43)、「主要メンバーの代替要員を決めていなかった」(2.39)の順となった(グラフ5)。

画像を拡大 【グラフ5】能登半島地震における対応の課題

これらの項目と、調査時点(1月末)においてBCPがどの程度機能したと感じているかを「機能した」「機能しない」「どちらとも言えない」の3グループで比較したところ、ほぼすべての項目で、「機能した」と感じている企業の平均点が「機能しない」や「どちらとも言えない」より小さなことが明らかになり、特に災害対策本部の設置や、休日の災害対応ルールの徹底、主要メンバーの代替要員の決定、関係部門との情報共有の遅れ、対応方針の決定の遅れ、など災害後の行動面で顕著な差が表れた(グラフ6)。

画像を拡大 【グラフ6】課題とBCPの機能レベルの比較

企業に求められる対策

今週末からは、盆休みに入る従業員が多い。これらの結果も参考に、企業は改めて災害対応を見直す必要がある。具体的には、南海トラフ地震臨時情報の内容の確認や従業員への説明、出社や帰省、出張に関する方針の確認、夜間や休日における災害対応の課題、など。

買占めや、急な買いだめは社会的な影響もあるため控えるべきだが、いつ大規模地震が発生してもおかしくないという前提に立ち、今何を優先して実施すべきか、考える必要がある。

【対策の例】
・従業員への臨時情報の説明
・防災やBCPの見直し
・南海トラフ地震発生の従業員のとるべき対応についての確認・周知
・臨時情報発表中における帰省や出張に関する方針
・帰省・出張中の災害発生時の安全確保や安否確認の方法の周知
・休日・夜間における対策本部の設置方法の確認
・主要メンバーの参集および代替要員の確認
 など