2019/04/08
企業をむしばむリスクとその対策
□対策:法改正の意図を共有すること
一部の「外交的圧力による法改正」を除けば、法律は、社会に問題が発生し、その問題を解決することを意図して改正されることがほとんどといえます。
自社に関係する法規制の改正が行われる場合、コンプライアンス違反防止のために社内での情報共有は必須ですが、その際、法改正の意図も併せて共有することが重要です。なぜなら、人は理由も分からず一方的に「法律を守れ」と言われるより、その意図や目的を説明された上で「だから、法律を守れ」と言われたほうが腹に落ちて、理解が進むからです。これは社内でコンプライアンス教育をする上でのポイントでもあります。
さて、事例にあるA社長の判断はどうでしょうか? 経営者として「利益を追求する」気持ちは分からなくもありませんが、この判断こそ「目先の利益」のみの追求に終わり、長い目で見た企業の「信用」を失うことにつながっていくかもしれません。
今回の働き方改革関連法の施行には、将来の日本の深刻な労働力不足がその背景にあります。その解消策として「働き手を増やす」「出生率の向上」「労働生産性の向上」に取り組むというのが施行の目的です。その目的に照らしたときに、自社でどのようなことが行えるか、将来のために自社がどのような役に立てるかを判断することが経営者の役割といえるでしょう。
また、社員の中から労働時間の実態について告発する人が出てきたり、その告発によりメーカーから取引先としての信用を失い、取引から除外されることなどは容易に想像できるリスクといえます。
今回のリスク:主に経営層・管理職が注意すべきハザードリスク

(了)
企業をむしばむリスクとその対策の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方