その質問、プライバシーの侵害です
個人的なことをしつこく聞くのはいけません
日本リスクマネージャー&コンサルタント協会 理事、一般社団法人日本コンプライアンス推進協会委員/
株式会社プラネット 代表取締役
根岸 勢津子
根岸 勢津子
1962年千葉県生まれ。外資系海運会社、IT企業などで役員秘書を経験したあと、大手損保代理店に転職。企業リスクマネジメントを学ぶなか、産業界にヒューマンエラーによる不祥事が続発したことを受け、働く人の心の健康に着目。法人向けのメンタルヘルスケアに特化して事業を進め、2006年法人化。現在、クライアント企業は80社を超え、大手外食チェーン、医療福祉・介護業界、物流業など、様々な業種業態の企業に対して、社内規程づくりから教育研修にわたり幅広く指導。執筆・講演など多数。東京都千代田区在住。趣味は、夫と楽しむバイクでのツーリング。
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ゆううつなランチタイム
お昼のベルが鳴り、ランチタイムがやってきました。中堅商社の経理課で働くA子さん(27歳)が、パソコン作業で凝り固まった首をぐるぐる回してから何気なく視線を上げると、その先にはB子先輩の笑顔が(あー、また捕まっちゃった)。ここ最近、A子さんはランチタイムが苦痛です。その訳とは……。
オフィスからほど近いレストランに入った二人。「ねえねえ、この前の週末どこ行ったの?」先輩OLのB子さんが、メニューを選びながら聞いてきます。
「えーっと……河口湖までドライブに。」するとB子さん、メニューから顔を上げてニンマリ。
「例の彼氏と? 確か半年前の合コンで知り合ったんだよね?」
「ええ、まあ。」
「で、どう? 話は進んでるの?」
「え、話って?」
「やぁだー、決まってるじゃない、結婚話よ~。いつご両親に紹介するつもり?いい?そういうのはね、タイミング逃しちゃダメよ!」
B子さんは独身の38歳で経理課の主任です。女性社員のリーダー格でテキパキと仕事をこなし、上司からも後輩からも頼られる存在です。A子さんも、新卒の頃から何くれとなく面倒を見てもらい、何度か仕事のピンチを救ってもらったこともありました。
そんな調子で面倒見がよく姉御肌なのはいいのですが、先週のランチでは今住んでいるアパートの家賃や父親の年収まで聞かれるなど、プライベートに深く踏み込むような質問を繰り返すB子さんに、A子さんは正直迷惑していました。
A子さんも、最初は気にしないようにしていましたが、そのうちランチに誘われるのがゆううつになりました。かといって、面と向かってランチを断るのも角が立つのではないかと考えると、なお一層気が滅入ってしまい、このままでは会社に行くのがイヤになりそうです。ただ、会社が用意した「職場の困りごと相談室」に話す勇気はありません。
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