周りにいるパワハラ加害者も悩みを抱えているかもしれません

私的な問題が影響

「ああ、またやってしまった…」。会社の近くの喫茶店のソファに身をうずめ、ため息交じりにたばこをふかす男性は、営業部隊を率いるA支店長。先ほど部下をひどく怒鳴った上、書類を床にたたきつけてしまったのです。

静かなオフィスに響く怒号。うつむき加減で書類を拾うBさんは、3年目の若手営業マン。先月辞めたCさんの後輩です。Cさんも同じように怒鳴られ、体調を崩した揚げ句退職。自分もいつそうなるか怯える日々です。

さて、問題のA支店長は現在43歳(男性)。私生活では中学生になる一人っ子の父親ですが、子どもの進学問題で常に妻ともめており、ゆうべも大げんか。私立高に行かせたいという妻を、何とか公立で納得させたいがうまくいきません。それでなくても共働きの妻とは普段からすれ違い気味なのです。それに加えて先月、父親が倒れ、週末は車で2時間半もかけて面倒を見に行っているのに、他の兄弟の協力が得られないことに腹を立て、昨夜は電話で兄と1時間も言い合いになってしまいました。

そんな気分のまま出社したA支店長。ついつい部下に当たってしまうのは自分でも気づいているのですが、どうにもコントロールできない。このままではパワハラ上司として訴えられてしまうかも…家のこともうまくいってないし、もうどうしたらいいんだ!