「昭和の常識」が阻む女性活躍
「意識せぬ偏見」なくし多様な生き方を
日本リスクマネージャー&コンサルタント協会 理事、一般社団法人日本コンプライアンス推進協会委員/
株式会社プラネット 代表取締役
根岸 勢津子
根岸 勢津子
1962年千葉県生まれ。外資系海運会社、IT企業などで役員秘書を経験したあと、大手損保代理店に転職。企業リスクマネジメントを学ぶなか、産業界にヒューマンエラーによる不祥事が続発したことを受け、働く人の心の健康に着目。法人向けのメンタルヘルスケアに特化して事業を進め、2006年法人化。現在、クライアント企業は80社を超え、大手外食チェーン、医療福祉・介護業界、物流業など、様々な業種業態の企業に対して、社内規程づくりから教育研修にわたり幅広く指導。執筆・講演など多数。東京都千代田区在住。趣味は、夫と楽しむバイクでのツーリング。
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夫の会社の無理解で負担増
「えー、もう帰るの? あそっか、時短だもんね」同僚たちの冷たい視線の中、そそくさと荷物をまとめるA子さん(女性・35歳)。
ここは都内の上場企業の営業部門。A子さんはマーケティングチームで、市場分析などを担当しています。
A子さんは半年前に育休から復帰したばかり。会社の時短制度を利用して保育園の送り迎えをしています。夫は別の中堅企業で経理課の課長をしていますが、「男の育休などもってのほか!」という社風の中、子育ての負担はA子さんに。突然熱を出したりする子どものために早退したり、残業のときは保育園まで走ったり、大変な思いをして仕事と両立しています。
仕事には魅力とやりがいを感じており、さらに上を目指すため、子どもが寝てからマーケティングの勉強をしたり、次の昇進試験を受ける準備もしていました。しかし、妊娠中は協力的だった夫も、ここ最近は残業続き、昇進を前に上司との飲み会も断れないとのことで、家事は一気にA子さんに降り掛かってきました。
A子さんが勤める会社では、育児休業の制度を利用している人も少なくありませんが、A子さんは何となく戦力外という扱いを受けていると感じています。上司(男性)からは「あなたは、当分転勤は難しいでしょう」と勝手に決め付けられ、昇進試験も先延ばしにされてしまいました。新しい仕事に取り組みたいと手を挙げたときにも「勉強する時間がないのに大丈夫?」と言われ、チャンスをもらえなかったといいます。
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