第63回:英国規格協会による「組織レジリエンス」指標に関する調査結果(2018年版)
BSI / Organizational Resilience Index Report 2018
合同会社 Office SRC/
代表
田代 邦幸
田代 邦幸
自動車メーカー、半導体製造装置メーカー勤務を経て、2005年より複数のコンサルティングファームにて、事業継続マネジメント(BCM)や災害対策などに関するコンサルティングに従事した後、独立して2020年に合同会社Office SRCを設立。引き続き同分野のコンサルティングに従事する傍ら、The Business Continuity Institute(BCI)日本支部事務局としての活動などを通して、BCMの普及啓発にも積極的に取り組んでいる。一般社団法人レジリエンス協会 組織レジリエンス研究会座長。BCI Approved Instructor。JQA 認定 ISO/IEC27001 審査員。著書『困難な時代でも企業を存続させる!! 「事業継続マネジメント」実践ガイド』(セルバ出版)
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かつて本連載で、BSI(英国規格協会)が開発した組織レジリエンスの評価指標「Organizational Resilience Index」と、その指標を用いて行った調査結果の報告書『BSI Organizational Resilience Index Report 2017』を紹介したが、2018年11月にその2018年版が発表された。本稿ではこれを2017版からの変更点に特に注目して紹介する。必要に応じて2017版の報告書と、これを紹介させていただいた拙稿(注1)をあわせてお読みいただければ幸いである。
調査はオーストラリア、中国、インド、日本、英国、アイルランド、米国の企業の経営層808人を対象として、オンラインおよび電話インタビューによって行われている。BSIの「Organizational Resilience Index」は本稿のトップにある図に示されている16の要素で構成されており、調査ではこれらの要素に対してどのくらい重要だと認識しているか(重要性)、どのくらい良好な状態だと認識しているか(パフォーマンス)を尋ねた結果がまとめられている。
まず図1は前回と今回の調査結果の全体的な比較である。全体の平均(overall)の他に、16の要素を4つのカテゴリー(リーダーシップ/人々/プロセス/製品)に分けた上で、カテゴリーごとの平均の比較も示されている。どのカテゴリーにおいても全体的に重要性とパフォーマンスとのいずれも向上していることがわかる。
本報告書における説明によると、特に「レピュテーションに関するリスク」、「財務管理」、「ビジョンと目的」、「情報と知識のマネジメント」の4つの指標について、パフォーマンスが明らかに向上したという。本報告書では個々の要素がどのように変化したかを各カテゴリーごとに分けて示された図も掲載されているので、合わせて参照されたい。
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