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今回紹介させていただくのは、BCMの専門家や実務者による非営利団体BCI(注1)が2018年から発表している「Continuity and Resilience Report」の2024年版である(注2)。主にBCI会員を対象としたアンケート調査やインタビューなどをとおして、事業継続に関する実務者がどのように「レジリエンス」に対峙しているかを明らかにしようとしている。

近年、防災・減災や事業継続などの関係者の間で「レジリエンス」という用語が多用されるようになってきたが、「事業継続」と「レジリエンス」との関係をどのようにとらえるべきか、という議論に加えて、最近では「オペレーショナル・レジリエンス」(注3)といった概念も導入されてきた。

そのため「レジリエンス」に対して実務者がどのように取り組むべきか、議論が尽きないという状況が国内外で続いている。そのような状況において、BCIが会員の現状認識や所属組織における取り組み方を継続的に調査しているのは、大変価値のある活動だと言える。

なお本報告書は下記URLにアクセスして、氏名やメールアドレスなどを登録すれば、無償でダウンロードできる(BCI会員でなくても、ページの下の方にある「Register for Free」という部分をクリックして連絡先などを登録すればダウンロードできるようになる)。

https://www.thebci.org/resource/bci-continuity-and-resilience-report-2024.html

 

注1)BCIとはThe Business Continuity Institute の略で、BCMの普及啓発を推進している国際的な非営利団体。1994年に設立され、英国を本拠地として、世界100カ国以上に9000名以上の会員を擁する。

注2)2018年、2020〜2023年版も本連載で次のとおり紹介させていただいた。
第62回:BCM担当部門に求められる他部門との協働 (2018年版)
第117回:パンデミック後に事業継続マネジャーは何をすべきか(2020年版)
第160回:パンデミック後の事業継続マネジャーに求められる役割(2021年版)
第198回:これからの事業継続マネジャーに求められる役割(2022年版)
第234回:事業継続マネジャーが実務として向き合う「レジリエンス」(2023年版)

注3)オペレーショナル・レジリエンスに関する調査報告書は過去の本連載でも次のように紹介させていただいた。
第185回:徐々に普及しつつある「オペレーショナル・レジリエンス」
第220回:BCM関係者がオペレーショナル・レジリエンスをどのように捉えているか
第248回: BC
M関係者はオペレーショナル・レジリエンスをどのように捉えているか(2024年版)