二番丁地区での具体的な関わりとして、街歩きでの防災マップを香川大学に一緒に検討していただいた。防災マップは、高松市も行政版の防災マップを市内全域用に作成している。南海トラフ巨大地震の新しい被害想定が出たので、昨年夏に全戸配布した。その中には、避難の浸水深や指定避難所などの情報を盛り込んでいる。二番丁で香川大学と一緒に行った街歩きは、実際にブロック塀や家屋が倒壊した場合、車いすなどが通行できるかどうかといった要援護者対策にも着目している。

家庭内自立の推進も図った。耐震化の工事が終わっている家庭であれば、在宅避難ができる。そうなった場合に、乾物などを使い、女性が家族の栄養管理をどうやってできるかなどの調理研究も行っている。

一方、市の支援のとしては、緊急情報が受信できる防災ラジオを2016年1~2月に配布予定。このほか、コミュニティ継続計画と地区マップ、避難所運営の手引きの3 点セットを配布している。

今後の課題は、防災計画を、自主防災組織だけではなく、地区のコミュニティ組織を含め住民全員のものにしていくということ。婦人会、交通安全母の会など、いろいろな方々を巻き込んでいきたい。

東日本大震災で女性が活躍した例はいくつもあった。女性にどれだけ参加していただくかが今後の大きな防災の鍵になるのではないかと思う。

高松市は合併後、海側だけでなく、徳島県との境にあたる山側の地区とまでかかわるようになった。二番丁地区として、山側の地区の支援を要請するような、地域同士のやりとりも、今後は地区防災計画という制度をうまく生かし、期待できると思う。