香川県高松市二番丁地区は、県庁などの施設が密集している地区である。高松市では、南海トラフ巨大地震に備え、いろいろな主体が準備を進めている。

被害自体は、高知県や徳島県などの太平洋沿岸が中心になると予想されるが、高松市には政府の緊急災害現地対策本部が設置される予定なので、地域住民の応急対策だけでなく、広域的な物資や避難者対策に連携して取り組む必要がある。

高松市は四国山脈と中国山脈に挟まれているため、あまり台風の影響もない。しかし台風が多かった2004年には、高松市でも高潮や洪水で死者も出るほどの被害があった。このときは二番丁地域でも、アンダーパス※での事故などが発生した。

高松市では、2012 年度から、地域コミュニティ継続計画を導入してきた。同年には行政のサポートのもとモデル版が作成された。市内は44のコミュニティ組織に分かれている。これはコミュニティごとに作っていこうという「CCP(地域継続計画)」の発想で行った。二番丁地区には、香川大学のホームキャンパスがある関係で、2008 年から地区内に立地する香川大学に積極的に防災に関わっていただいた。香川大学は防災に非常に熱心で、社会人向けに防災士養成講座も開講している。市では、市民がそれを受講した場合、費用を全額補助している。