連載・コラム
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火災は科学で防御する
これまで排煙方法における場所やタイミングなどについて、世界各国の消防局で賛否両論があった。大学の火災研究施設などもエビデンスベースで参加し、さまざまな議論がなされてきた。 このたび、オランダの消防科学研究所が発表した「The Renewed View on Firefighting (火災防御の再検証) 2018」によると、①屋根に垂直排煙のための開口部を作る、②窓やドア等を利用して、水平排煙のために閉じている開口部を破壊して作る、③人工的に排煙を促し、火災建物の屋内を通気すること―によって、火点への酸素の流入が促され、確実に火災が拡大することが実証されたという。
2018/10/31
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つながり支援や企業連携で災害対策強化
災害やテロなど有事に友人に無事を知らせるほか、支援の提供を申し出たり受けたりできるフェイスブックの機能である「災害支援ハブ」。安否確認については世界で1400回以上起動し、2017年11月時点で累計約30億人が利用した。日本でもここ2年で19回発動しているという。この機能ができたきっかけは2011年の東日本大震災だった。フェイスブック ジャパン代表取締役の長谷川晋氏に災害への取り組みを聞いた。
2018/10/19
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軍部に屈しなかった<気象学の父>岡田武松
不世出の気象学者岡田武松(おかだ たけまつ、1879~1956)は、その生涯のすべてを気象研究と気象事業の発展さらには後進の育成に燃焼させた。太平洋戦争の無残な現実が生々しく残る昭和24年(1949)、鈴木大拙、津田左右吉、志賀直哉らとともに文化勲章を受賞した。昭和26年(1951)には創設の第1回文化功労章顕彰にあたって、文化面で日本が世界に誇り得る研究者として、日本初のノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹らとともにその栄誉に輝いた。岡田の気象研究、気象観測事業等での先駆的な不屈の精神を讃えたのである。(以下、「岡田武松伝」(須田瀧雄)、「寸描 岡田武松博士」(馬渡巌)より適宜引用する)
2018/10/09
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豊饒の湖水~琵琶湖畔の歴史と芸術に魅せられて~
7年ほど前のことである。私は琵琶湖総合開発をテーマにしたノンフィクションの月刊誌連載にそなえて、同湖畔を時間の許す限り跋渉(ばっしょう)した。この時、日本最大の湖・琵琶湖が河川法上は「一級河川」であることを知った。東西南北の湖畔を訪ね、光り輝く湖面の向うになびくたおやかな山々を見つめるたびに、私は感動に包まれた。「水と光の織りなす交響詩」の感銘を深くすることがたびたびであった。私は琵琶湖を舞台にした歴史書や文学書はもとより、琵琶湖の生態系や水質などを主題にした図書や学術論文にも目を通した。資料を精読し、かつ名所旧跡を歩きまわり、湖畔近くに立つ神社仏閣にたたずむうちに、私は琵琶湖の尽きない魅力に取りつかれて行った。
2018/09/10
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