山を歩けばリスクにアタる
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日頃からの実践こそが危機時に役立つ
1年8カ月にわたって連載してきた「山を歩けばリスクにアタる」。主人公ハルトとその仲間たちが出くわすさまざまな場面から、リスクマネジメントのヒントをお伝えしてきました。彼らの物語も今回が最終回です。最後は、日ごろ筆者が実践している「山歩きの鉄則」で締めくくりたいと思います。
2023/11/16
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個人行動でも周囲との情報共有は必須
リスク管理をしっかり行い、準備は万端、あとは本番にのぞむだけ。というわけにはいかないのが登山です。周囲の人や警察などとの情報共有、つまり登山届の提出がそれ。万が一遭難した場合に周りが受ける心的・経済的負担、生じる危険を考えれば、山は「自己責任」というわけにはいきません。ハルトと村上くんの会話から学びます。
2023/11/02
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リスクを減らすための最適な組み合わせ
山登りでの「雨濡れ」は永遠の課題。ある意味自然の摂理ですが、低体温症にならないためのリスク対策が必要です。雨に降られるのは宿命だとしても、体温の低下や不快感を防ぐ方法はさまざま。一番はレインウェアとアンダーウェアの組み合わせです。雨、結露、汗の影響を防ぐために必要な機能と、最適な素材の選択を考えます。
2023/10/19
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危機遭遇時の優先順位をどう決める?
非常事態に直面したときには、プライオリティ(優先順位)を意識しないわけにはいきません。先にやること、後回しでよいことの順番を意識しないと、対応が場当たり的になり、時間や労力のムダが生じます。では、どのようにしてそのプライオリティを決めればよいのか。山での会話から、参考となる方法を紹介します。
2023/10/05
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襲われなかったのには理由がある
山登りには大小さまざまなリスクがあるとして、前回は小さな虫の攻撃から身を守る方法を考えました。今回は、確率は低いけれど、ひとたび遭遇すると大きな危機につながるリスク。たびたび起きることではないとはいえ、万が一に備えて対処の知識を持っておくことは重要です。ツキノワグマと対峙したときの心得を体験談から語ります。
2023/09/21
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小さなリスクもやはり事前の知識と備え
山登りには大小さまざまなリスクがあります。小さなリスクといえども侮れませんが、かといってゼロリスクを目指すのは現実的ではありません。ある程度のリスクを取りながら、それをできる限り軽減・回避する対策を考え実行する。そのためには、やはり事前の知識と備えが必要です。今回は虫の攻撃から身を守る防御策を考えます。
2023/09/07
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命に関わる「軽装弾丸登山」をどう防ぐ
インバウンドが復活し訪日外国人旅行者が増えています。観光・レジャーの一環で山登りを楽しむことに問題はありませんが、気をつけないといけないのは、彼らは日本人に比べ地域の環境条件や気象条件に疎いこと。富士山の軽装登山や弾丸登山が問題となりましたが、一つ間違えると大きな事故につながります。ハルトの経験から解決策を考えます。
2023/08/24
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「山は自己責任」では片付けられない
「登山は自己責任」といいますが、ひとたび事故や遭難が起きれば多くの人や機関が救助・救援に動きます。家族の心配も含め、計り知れない負荷を他者にかけるでしょう。「ドラマチックな朝焼けを写真に収めたいから多少は無理しても」――しかし、ルールやマナーを逸脱してのリスクマネジメントは成立しません。山での不思議な体験談から学びます。
2023/08/03
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熱中症を避けるために何ができるか
異常な熱波が世界を襲い、日本の各地でも40℃近い猛暑日が続いています。これが気候変動の影響なら、これからますます厳しい暑さを覚悟しなければなりません。政府も熱中症対策の強化に乗り出していますが、必要性は登山においても同じ。ハルトとヒデさんの会話から、熱中症を避けるために個々ができることを考えます。
2023/07/20
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山小屋も安心とはいえない気候変動時代
気候変動の影響で気象が荒れやすくなり、登山にも新たなリスクがあらわれています。山の天気は変わりやすいといったレベルにとどまらず、天候不良が続いて登山客が山小屋から長期間出られない、ヘリが荷揚げできない、食料が補給できないといったリスクを、いままで以上に考えなければなりません。ハルトの体験を紹介します。
2023/07/06
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時代とともにリスク環境も移ろい変わるが
目まぐるしい時代の変化。10年前、20年前と現在とでは、私たちを取り巻く環境は大きく違います。中長期にわたる状況変化のなか、新たなリスクが次々に立ち現れ、あるものは残り、あるものは消えていく。山においても例外ではありません。今回は3人の単独行者の会話をもとに、少し引いた視点から山のリスクマネジメントを考えます。
2023/06/22
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不測の事態の予防・対処へ3つの教訓
山歩きで起きる不測の事態の一つが「道迷い」。地図に記された一般登山道であっても、公園の散策路と条件が違いますから、油断は大敵です。そしてもし迷ってしまったら、むやみに歩きまわらず落ち着いて周囲を観察する。そのためにも、万が一のビバークに備えた準備が大切です。ハルトのヒヤリハット体験から学びます。
2023/06/08
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気ままに山を歩くためのリスクマネジメント
起こっては困ることをアレコレ想定し、それを回避すべく慎重かつ用意周到に計画と準備。同時に関係者に対するリスクコミュニケーションをしっかり行い、説明責任をまっとう。そしていざ実行の段になったら、適度にいい加減に。必要以上の委縮はかえって足元をすくわれかねない。登山の単独行談義から、リスクマネジメントの心得を学びます。
2023/05/25
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情報収集はオープンに 判断は慎重かつ柔軟に
親切心からのアドバイス、受け入れるべきか否かで迷うことは珍しくありません。他人の「良かれ」が自分の「良かれ」であるとは限らない。逆もまたしかり。とはいえ、頑なに拒否するのも何か違う。ならば、あくまで参考情報として広く受け入れ、ただし判断は慎重かつ柔軟に。情報を発する側・受ける側の姿勢を登山のワンシーンから学びます。
2023/05/11
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トレッキングポールに頼らない転倒・滑落対策は?
メリットとデメリットのどちらをとるかは、その時々のさまざまな条件に応じてケースバイケース。ハルトがトレッキングポールを持たないのは、いまの自分にとってはメリットよりデメリットが大きいと判断したからです。が、歩きやすさや転倒防止のメリットをただ捨ててしまうのもまたリスク。今回はハルトが考えた代替の工夫を紹介します。
2023/04/20
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一筋縄ではいかないスケジュール管理
余裕を見てスケジュールを組んでもいつの間にか遅れてしまう。そのたびに時間管理の重要性が叫ばれますが、決定的な原因も見つからず、対策は意外と難しいのではないでしょうか。そのためまずは現実を謙虚に受け止め、できることを考えて実行する。そして万一遅れたときの対策も心得ておく。山の時間管理から学びます。
2023/04/06
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山歩きを例に学ぶ「SMART」の使い方
4月から新年度が始まり、目標を立てる機会が増えるのではないでしょうか。その際に役立つツールが、以前にも紹介した「SMART」です。配慮すべき5つのポイントを端的に示す指標で、これにそって目標を組み立てれば実行と達成が容易になるというもの。使い方もシンプルです。具体的にどう使うのか、山歩きを例に紹介します。
2023/03/23
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ブランク明けはいつにもまして慎重に
ブランク明けは、何かと思いもよらないことが起こりがちです。習慣で身についていたはずのことを忘れていたり、普段の勘が鈍っていたり、身体がなまっていたり。3年間続いたコロナ禍が転換期を迎え、企業内もさまざまなルールが変わるタイミング。ハルトが2カ月ぶりの山歩きでおかした失敗から学びます。
2023/03/09
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ネット情報で“わかったつもり”が一番アブナイ
あり余るほどの情報があふれるネット空間。登山も例外ではなく、情報サイトや投稿記事にはこと細かな山行記録、豊富なスナップ写真が満載です。便利に使えることは間違いありません。が、それだけで山を“わかったつもり”になると、思わぬ落とし穴が。ネットの情報収集に潜むリスクと上手な役立て方を、ハルトとヒデさんの会話から学びます。
2023/02/22
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「まだ大丈夫だ」と思う心理に要注意
リスクホメオスタシスという理論があります。簡単にいうと、人はリスクの許容レベルを超えない限り、心配よりも自分の利益を優先する意識が勝つというもの。例えば慎重に運転すべき冬道でも、スタッドレスタイヤを履くとつい速度を上げてしまうのがこの心理だといわれます。ハルトとヒデさんの山旅から、リスクホメオスタシスの回避法を考えます。
2023/02/09
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自己のレジリエンス力を磨く3つの習慣
失敗の連続で心が折れ、その後も調子が上がらない。そんなスランプに陥ることは誰でもありますが、重要なのはその状態を慢性化させないことです。ストレスの多い時代だからこそ、レジリエンスの力を鍛えましょう。それは特別な訓練ではなく、普段の習慣にあります。いや、すでに実践しているかもしれません。ハルトの気付きから学びます。
2023/01/26
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避難小屋といえども一定の準備と配慮が必要
登山で緊急的に利用できる避難小屋ですが、あらかじめ計画に組み込んで泊まる場合、多少なりとも快適に過ごそうと考えるなら、一定の準備が必要です。特に週末や連休は満室の可能性を考慮し、最悪小屋の外で野宿できる装備を持参するのがベター。そして最も大切なのが、同宿者への気遣いです。避難小屋利用のABCを、ハルトと友人の会話から学びます。
2023/01/12
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応用を効かせるための思考訓練を日頃から
肝心なものが肝心なときに手元にない、そうしたときは手近にあるものを最大限に使うしかありませんが、代用・応用は意外と大変です。そのため、いざというときの知恵やノウハウを普段から身につけるよう日頃から訓練する。特に装備点検の時間は思考を鍛えるよい機会です。ハルトの気づきから代替の方法を学びます。
2022/12/22
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失敗体験から学んだことを次に生かす
初めての体験は、おうおうにしてうまくいかないもの。色とりどりのテントが織りなす魅力的な光景に惹かれて初の野宿にトライしたハルトでしたが、ワイルドな環境の中で過ごす心地よい一夜とはいきませんでした。ただし、失敗を検証して反省点を明確にすれば、それは新たな知恵となって次の登山につながります。ハルトの行動から学びます。
2022/12/08
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想定外なのか、甘く見たのか
美しさとノスタルジーが交錯する秋の山行。山好きにはたまらない季節ですが、標高が高い場所はこの時期すでに雪が降り、ふもとでも氷が張ります。快晴をねらって出発したハルトも思わぬ積雪に遭遇し、低体温症になりかけました。想定外のリスクに見舞われたのか、それともリスクを甘く見たのか。山小屋の主人のレクチャーから学びます。
2022/11/24