4.おわりに
本稿では、日本本社等から他国に派遣された、「派遣者の国外退避」に焦点をあてて、その留意点等を解説しました。しかし、実際には「派遣者の国外退避」が速やかに行われるだけでは十分でなく、「派遣者退避後」の現地スタッフの安全の確保や、現地での製品・サービスの供給責任の遂行(業務継続)という観点からの検討も望まれます。各企業におかれては、このような観点からも検討を加え、最悪の事態に万全の備えをされることをお勧めします。


※i  「危険情報」とは、海外の特定地域について、滞在や渡航の危険性を判断する際の目安として外務省が発表するもので、当該地域の危険度に応じて4段階で発表される。危険度の最も高い「退避を勧告します。渡航は延期して下さい。」という危険情報が出た場合には、当該地域外へ速やかに退避することが望まれる。

※ii 外務省海外安全ホームページ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/search_pub1.asp)から、地域ごと、月ごと、要因ごとの危険情報発出履歴が検索できる。

※iii 2010年から2012年にかけてアラブ諸国で発生した大規模反政府運動(アラブの春)の一つ。エジプトではムバラク大統領が政権を追われた。

※iv 携帯電話が使用不可能となったことが、外務省「海外安全官民協力会議第8回本会合開催結果」に記載されている。

※v 緊急一斉通報の受信には、居留登録を行っておく必要がある。

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転載元:株式会社インターリスク総研 InterRisk Report No.13-018

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