2025/04/04
防災・危機管理ニュース
トランプ米政権の相互関税による景気悪化懸念が広がり、東京株式市場では4日も株価が急落し、日経平均株価は8カ月ぶりに3万4000円を割り込んだ。長期金利も急低下し、円高が進行。市場では「トランプ関税政策の先行き不透明感が強く、市場の混乱がいつ収まるか全く読めない」(国内証券)との声が聞かれた。
日経平均は一時前日比1400円超下落。終値は955円35銭安の3万3780円58銭と年初来安値を更新し、2日間で2000円近く下落した。
米政権は日本からの輸入品に24%の関税をかけると発表。米国との貿易量の多い国を中心に高い税率を設定しており、「世界的な貿易停滞による景気減速が意識された」(大手証券)という。影響は広範に及ぶ可能性があり、今後の企業業績が見通しにくくなったことも、不透明さを嫌う投資家の売りを誘った。
金利低下で利ざやの縮小が連想された銀行株が大幅下落。円高進行も輸出企業の重しとなり、東証上場銘柄の9割が値を下げる全面安の展開となった。
債券市場では、安全資産とされる債券が買い戻され、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時1.160%に低下(債券価格は上昇)した。1月上旬以来3カ月ぶりの低水準。植田和男日銀総裁が4日の衆院財務金融委員会で、外部環境の変化に適切に対応する姿勢を示したことで、市場では早期利上げ観測が後退、債券の買い材料になった。
一方、外国為替市場の円相場は一時1ドル=145円台前半に大幅上昇。リスク回避の円買いが優勢となった。午後5時現在は146円25~27銭と前日比1円ちょうどの円高・ドル安。
〔写真説明〕8カ月ぶりに3万4000円を割り込んだ日経平均株価を示すモニター=4日午後、東京都中央区
〔写真説明〕東京債券市場で長期金利が一時1.160%に低下したことを示すモニター=4日午後、東京都中央区
(ニュース提供元:時事通信社)


- keyword
- 円高
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/08
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/04/05
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方