【ダッカ時事】バングラデシュ議会(一院制、定数350)の総選挙が7日、投開票された。選管によると、ハシナ首相率いる与党アワミ連盟(AL)が過半数の議席を得て勝利した。ハシナ政権は連続4期、通算で5期目に入る。政敵の排除を進め、有力な対抗勢力が見当たらない中、独裁色がさらに強まる恐れもある。
 ハシナ氏は8日、首都ダッカで開かれた集会で「選挙は自由で開かれ、公平だった。人々の勝利だ」と祝った上で「国の経済発展が次の5年間で最も大きな目的だ」と述べた。
 主要野党バングラデシュ民族主義党(BNP)は、公正な選挙が見込めないとしてボイコットした。この影響もあり、投票率は40%程度にとどまる見通し。当日は投票所前の爆発で負傷者が出るなど、選挙妨害を狙ったとみられる事件も各地で起きた。
 同国ではかつてALとBNPが政権を交互に担う時期があったが、1996~2001年に首相を1期務めたハシナ氏が09年に返り咲くと、BNP幹部や人権活動家らを次々に拘束。強権化が進んだ。
 ハシナ氏は選挙戦で、最貧国から経済を成長軌道に乗せた約15年の実績を強調。一方でBNPを「テロ組織だ」と非難した。政権側は、4人が死亡した5日の列車火災などはBNP支持者が引き起こしたとみている。 
〔写真説明〕バングラデシュのハシナ首相(バングラデシュ首相府提供)=7日、ダッカ(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)