石川県能登地方を震源とする地震で、2日も生活インフラや企業活動への影響が続いた。道路の寸断や交通規制により、郵便物や宅配便といった物流は大幅に乱れ、コンビニなどの小売店や外食チェーンの臨時休業が相次いだ。携帯電話の通信障害や停電も解消しなかった。
 日本郵便では新潟、富山、石川、福井の4県全域で、郵便物・荷物の引き受けや配達に大幅な遅れが発生。遅延は北海道と山形、長野、兵庫3県にも及んだ。石川県輪島市などや新潟市の一部に向けた荷物の引き受けは当分の間停止する。
 ヤマト運輸は石川県全域と富山県の一部、佐川急便は石川県能登地方での集配業務をそれぞれ停止。これらの地域宛ての荷物の預かりを全国で見合わせた。ヤマトは、北海道と新潟、富山、福井の3県で配送遅延を見込んでいる。佐川は、フェリー欠航などの影響で北海道向けが遅れる可能性があるとしている。
 百貨店の西武福井店(福井市)は1日に初売りを行った際、地震発生時のスプリンクラー誤作動でレジのシステム障害が起きた。2日は臨時休業し、復旧作業に当たった。
 北陸地方を中心に、2日は一時セブン―イレブンの約100店舗、ファミリーマートの約160店舗、ローソンの約30店舗が休業。牛丼チェーン「吉野家」は富山、石川両県の全20店舗で、サイゼリヤは富山、石川、福井3県の10店舗でそれぞれ営業を見合わせた。
 NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど通信各社は、石川県を中心とする一部エリアで音声通話やデータ通信の障害が継続。経済産業省によると、2日午後5時時点で、配電設備の損傷により石川、新潟両県で約3万3000戸が停電中だ。被災地域では一時ガソリンスタンド65店も営業を中止した。
 北陸地方には東芝系の半導体製造会社や建設機械大手のコマツ、ジャパンディスプレイなどの工場があり、各社は生産設備への影響を精査している。 

(ニュース提供元:時事通信社)