名古屋大大学院の田所敬一准教授(地震学)は石川県で最大震度7を記録した1日の地震について「沿岸にある長い海底活断層が動いた影響ではないか」と指摘している。
 能登半島周辺では3年前から地震活動が活発だった。しかし、今回はマグニチュード(M)7.6と、ここ数年で起きた地震よりエネルギーが格段に大きく、田所准教授は「50キロ以上の長さの断層が動いた可能性がある」と説明する。
 動いた断層が長いほど、Mも大きくなる。「日本海沿いの地域には、地震を起こすエネルギーがたまっている」といい、今後も規模の大きい地震が起きる恐れが否定できないという。
 津波の発生も海底活断層が上下に動いたことによるとみられるといい、「富山湾や七尾湾はくびれた地形なので、湾内で津波が反射して繰り返し観測されたのではないか」と推測した。
 個人でできる地震への備えとして、家屋の耐震化や家具の固定、食料や水の備蓄などが挙げられる。田所准教授は「今回の地域に限らず、3日間は生き延びられることを考えて対策を立ててほしい」と話している。 

(ニュース提供元:時事通信社)