前回の記事では、触覚記号である「点字」をご紹介しました。今回は前回の続きになります。
聴覚障害・手話と指文字について
聴覚障害者といえば「外見では分かりにくい」ため、周りからは理解されにくい障害です。ろう者(補聴器などを付けても音声が判別できない)と難聴者(残存聴力を活用してある程度聞き取る)に分けられ、人によって聞こえ方に違いがあります。
聴覚障害者は、身体障害者福祉法において「聴覚・平衡機能、音声・言語・そしゃく機能障害 障害程度等級表」に該当する人が障害者手帳を取得しています。
聴覚・平衡機能、音声・言語・そしゃく機能障害 障害程度等級表
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/shinshou_techou/sintaisyougaininteikijyun.files/2.cyoukakuheikoukinouonnseikinougenngoki.pdf
聴覚障害によって行動や行為が制限され、日常生活や社会生活に不自由が生じます。そのうちの一つは「聞こえない、または聞こえにくいので、言語の獲得が困難になること」です。
そのため聴覚障害者の情報入手の方法として、手話(指文字含む)・筆談(紙などに文字を書いて意思を伝え合う)・口話(口の動きで言葉を読み取る)・身振り手振り(ジェスチャー)から情報(視覚情報)を得ています。
軽度・中度難聴は、医療機器の補聴器(聞こえを補う)。高度・重度難聴(ろう者を含む)は、人工臓器の人工内耳(蝸牛の代わりに音を電気信号に変換し、直接神経を刺激して脳へ電気信号を送る装置)によって情報(聴覚情報)を得ています。
さて、突然ですが、皆さんに質問があります。
1.自宅に訪問者が来たことを知らせるのに使われる呼び鈴
2.目覚まし時計の音
この2つですが、聴覚障害者はどのようにして知ることができますか?
【答え】
1. 屋内信号装置を設置しています。発信器と受信器をセットにして光、振動、アラーム音で知らせます。他にも電話、火災報知器、赤ちゃんの泣き声を知ることができます。
2.枕などの下にベッドシェーカを置いて振動で知らせます。
このように日常生活で不便なことや困難に感じていることがたくさんありますが、支援機器や支援用具などによって自立した生活をおくることができます。
聴覚障害者で手話ができる人の割合
聴覚障害者で手話をコミュニケーション手段としているデータを探すと、「身体障害児・者等実態調査:結果の概要」は、平成8年、平成13年、平成18年だけです。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/108-1b.html
最新の平成18年身体障害児・者実態調査結果「表19 障害の程度別にみた聴覚障害者のコミュニケーション手段の状況(複数回答)」によりますと、「手話・手話通訳をコミュニケーション手段としている」と答えた者は338人中64人(18.9%)です。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shintai/06/dl/01_0001.pdf(25ページ目)
「補聴器や人工内耳などの補聴機器を装用している」と答えた者は338人中234人(69.2%)です。
ただ古い調査ですし、調査した人数が非常に少ないので参考までにご覧ください。
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