2016/10/23
誌面情報 vol51
日本政府は、この鳥インフルエンザ(H5N1)の人への感染を受け、2005年に「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定、対応を本格化させた。その後2009年、新型インフルエンザ(H1N1)がメキシコで発生した後に世界で大流行。世界保健機構(WHO)もパンデミックを宣言した。2009年のインフルエンザ対策では、日本では徹底した公衆衛生対策や医療水準の高さにより比較的小さな被害にとどまったが、国と自治体の役割分担が不明確であることや、国内発生後の水際対策は効果が限定的であること、さらにはワクチンの製造能力や摂取体制が遅れたことなど、数多くの課題を残した。特措法は、これらの反省点の上にできたものであると言える。
*レセプター…細胞表面や内部に存在し、細胞外の特定の物質(ホルモン・ウイルスなど)と特異的に結合することにより、細胞の機能に影響を与える物質の総称

元内閣官房新型インフルエンザ等対策室内閣参事官として対策ガイドラインの作成にあたった三菱総合研究所科学・安全政策研究本部レジリエンス戦略

グループ主任研究員の平川幸子氏は「特措法の特徴は、政府対策本部長(内閣総理大臣)が発令する緊急事態宣言により、対象区域の都道府県知事が、必要に応じて施設使用制限の要請を行うことができること」と話す。SARSやエボラ出血熱、鳥インフルエンザなどの感染症はその感染力や病原性に合わせ、1類から5類に分けられ、その対策が実施される(図1)。

特措法は、今後新たに発生した新型インフルエンザや新感染症に対し、その重症性や感染経路の不明確さなどを鑑み、政府が緊急事態宣言を発動するもの。緊急事態宣言が発動された地域では、知事が責任者となり、住民に対して外出自粛要請や施設の使用制限などを求めることができる。予防接種体制などについても同法によって医療従事者などの登録事業者に優先的に接種できる仕組みや、緊急時には全国民が無料で接種できる仕組みも構築されている。
誌面情報 vol51の他の記事
- マスクの基礎知識 フィットテストを怠るな!
- うがいの基礎知識 ガラガラってする?声を出す??
- BCP担当者が最低限おさえておきたいインフルエンザ特措法
- 手洗いの基礎 アルコール洗浄だけでいいと思っていませんか?
- 講演録_01 2015年7月17日開催セミナー 想定を超えたスーパー台風に企業はどう備える?
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方