危険そうなときには情報を待たずに判断を

線状降水帯らしきものが気象レーダーに現れ、動きから見て影響が長引くと判断できる場合には、避難情報や警報・特別警報などの発表に先駆けて対応していきましょう。情報を待っていると、被害が拡大した後の対応になりかねないからです。

以下の図は、2020年7月6日の雨雲の様子を14時30分から17時30分まで1時間ごとに並べたものです。いずれの図でもライン状の雨雲が九州北部を中心に東シナ海から山口県にかけて伸びていることが見て取れます。この四つの図のうち、左下が特別警報発表時点(16時30分)のレーダーの様子です。線状降水帯の位置は、特別警報発表の2時間前(左上)や1時間前(右上)、また1時間後(右下)もほとんど変わっていません。

写真を拡大 図7. 大雨特別警報の発表に先立って現れていた線状降水帯の例(気象庁のデータをもとに筆者が加筆)

上の例で気象レーダーを自ら見ておけば、特別警報が発表される2時間以上前には危険性がしっかりと認識できた可能性があります。特別警報が発表されたから危険なのでありません。自らレーダーなどを見て危険性を認識できるようになっておいた方が素早く対応ができるので、今回の記事を参考に、レーダーや雨量の情報などを見て危険性を把握できるようにしてください。