2020/06/25
パンデミックと心のレジリエンス
■否定的な気分にさせる習慣を改める
もう一つは「ネガティブな思い・感情に駆り立てるクセや習慣」を改めることです。
例えば「心配性」。ともすると先を否定的に読み過ぎて、勝手に否定的な感情を抱いてしまう。会議でうまく説明できなかったりすると、同僚に見下されるのでは、人事評価が下がるのでは、と思ってしまうといったことです。
こうした不安は、あとで振り返ると気にするほどのことではなかったというケースがほとんどです。こんな感情がよぎったら、すぐさま窓の外を眺めたり、わざとジョークを飛ばすなどして、はやく意識を逸らす工夫をしてください。
また、物事に「過剰反応してしまう」人。仕事での些細な失敗にムシャクシャしたり、相手からの一言に腹を立ててしまって、その不愉快な気分が何日も続く、みたいなことです。
第三者から見れば取るに足らないことですが、本人にとってはとても許し難い出来事であるわけで、これによって何日も悩むことになる。これを避けるには、まずは気持ちを落ち着け、少し時間が経ったら不愉快になった原因と、それがどれほど自分に“実害”を与えたのかを振り返ってみてください。おそらく多くの場合、それが過剰反応にすぎなかったことを悟るでしょう。
最後に次の点にもご注意を。
私たちは人から慰めの言葉をかけてもらうと、ともすれば「自分の気持ちなんて人にはわからないさ…」という冷めた感情がくすぶることがあります。ポジティブになることが不謹慎でもあるかのような気分です。これもまた、否定的な気分にさせる習慣の一つです。
自分の病んだ心に無理やり鍵をかけたまま時間が過ぎていくことに、どんな意味があるでしょうか。このことも覚えておいてください。
パンデミックと心のレジリエンスの他の記事
- レジリエンス向上のカギは中間管理職が握っている
- 知らず知らずのうちに選択肢を狭めていないか
- 心に鍵をかけたまま時を過ごさないで
- 時には空を見上げ、大きく息を吸い込んで
- 逆境に負けない力は習慣のなかで身に付く
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方