逆境に負けない力は習慣のなかで身に付く
第2回:レジリエンスを高める3つの要素
BCP策定/気候リスク管理アドバイザー、 文筆家
昆 正和
昆 正和
企業のBCP策定/気候リスク対応と対策に関するアドバイス、講演・執筆活動に従事。日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『リーダーのためのレジリエンス11の鉄則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身 (ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。趣味は登山と読書。・[筆者のnote] https://note.com/b76rmxiicg/・[連絡先] https://ssl.form-mailer.jp/fms/a74afc5f726983 (フォームメーラー)
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■それは"雑草のような柔軟で力強い生命力"
前回は、レジリエンスの意味や、この力がさまざまな分野で使われていることなどを述べましたが、ここでレジリエンスという力の特徴をいくつかの側面から整理しておきたいと思います。
第1は、レジリエンスは「硬さや堅牢さとは異なる柔軟な力」であることです。
「強固」「堅牢」といった性質の力とは似て非なるものであり、鋼鉄のように外からの衝撃を跳ね返す力とは違います。あまり上品な例えではないけれど、一度は踏みにじられてペタンコになっても、またむくむくと起き上がる雑草のような柔軟で力強い生命力。そんな例えがふさわしい力です。
第2は「ダメージを受けたときに発揮される力」であること。レジリエンスは、何らかのダメージを受けたり、危機な状況に直面したとき、一度はマイナス方向にブレることで発揮される力です。竹のような弾力と呼んでもいいかもしれません。
竹は、たとえ強風が吹き荒れても、それを受けしなやかに揺れますが、ポキリと折れてしまうことはありません。外からの力やプレッシャーに対して正面から反発するのではなく、いわば受け流すようにしてインパクトを回避します。
最後は「変化に適応する力」であること。レジリエンスは単に「自己を押し通す力」のことではありません。周囲の状況が一変したとき、自らを変えて新しい状況に適応する能力がレジリエンスなのです。
これもまた竹に例えることができます。竹はサクッと切れます。いつまでも以前の事柄にこだわってウジウジとすることがない。気性がさっぱりしているという意味で「竹を割ったような性格」という表現にも例えられます。レジリエンスが目指すのは、まさにこうした姿勢や性格と言えるでしょう。
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