レジリエンス向上のカギは中間管理職が握っている
第6回【最終回】:レジリエンスの2つの応用
BCP策定/気候リスク管理アドバイザー、 文筆家
昆 正和
昆 正和
企業のBCP策定/気候リスク対応と対策に関するアドバイス、講演・執筆活動に従事。日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『リーダーのためのレジリエンス11の鉄則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身 (ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。趣味は登山と読書。・[筆者のnote] https://note.com/b76rmxiicg/・[連絡先] https://ssl.form-mailer.jp/fms/a74afc5f726983 (フォームメーラー)
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■レジリエンスの職場への適用
これまでは「個人」、つまり会社でいうところの社員一人ひとりに焦点を当ててレジリエンスの身につけ方を述べてきました。最終回となる今回は、その応用編です。
いかにレジリエンスを発揮するかは、平たく言えば「いかにやる気を引き出すか」ということ。これについては、個人一人ひとりの取り組みもさることながら、職場においてはもう一人、レジリエンス向上の鍵となる人物がいることを忘れてはいけません。
それが、中間管理層の人々です。社内の人々がレジリエントになれるかどうかは、意外にも、中間管理層の持っている雰囲気や言葉遣いに左右されることが少なくないのです。
例えば職場の中に、いつも白黒はっきりさせるよう迫る、失敗を強く責める、目標は達成できて当たり前といった空気があると、一般社員は十分に能力を発揮できないばかりでなく、何かつまずいた時には大きな無力感と自己嫌悪の深みにはまってしまうでしょう。
そこで着目したいのが、上司による対話力です。上司が部下に対して「レジリエントな言葉」を意識することによって、コミュニケーションの問題を改善するわけです。レジリエントな言葉には、多かれ少なかれレジリエンスの要素が反映されています。ポジティブ、肯定的、選択肢や可能性の示唆、振り返り、自己効力感・・・などなど。
もちろんそうした言葉を、上司が一つひとつ意識的に選びとって話すわけではありません。上司自身がレジリエンスを理解し、実践していれば、自然に口から出て来る言い回しです。その意味で、職場全体のレジリエンスを高めようと考えたら、まずは中間管理層のレジリエンスを高めるのが先決かもしれません。
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