2019年 不祥事会見トップ3
第11回 驚き、あぜん、不快続出の不祥事・会見を振り返る
日本リスクマネジャ-&コンサルタント協会副理事長/社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科教授/
広報コンサルタント
石川 慶子
石川 慶子
東京都生まれ。東京女子大学卒。参議院事務局勤務後、1987年より映像制作プロダクションにて、劇場映画やテレビ番組の制作に携わる。1995年から広報PR会社。2003年有限会社シンを設立。危機管理に強い広報プロフェッショナルとして活動開始。企業・官公庁・非営利団体に対し、平時・緊急時の戦略的広報の立案やメディアトレーニング、危機管理マニュアル作成、広報人材育成、外見リスクマネジメント等のコンサルティングを提供。講演活動やマスメディアでのコメント多数。国交省整備局幹部研修、警察監察官研修10年以上実施。広報リスクマネジメント研究会主宰。2024年より社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科教授。
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2019年の不祥事・記者会見を振り返りましょう。
私が最も驚いたのは、元日産会長カルロス・ゴーン氏の変装劇。最もあぜんとしたのは、第三者委員会による調査報告書を読まないで12月18日に記者会見したかんぽ生命の不適切販売問題。そして最も不快だったのは、9月27日に行われた関電の金品受領問題1回目の会見でした。
世界を驚かせた変装劇、見え方戦略欠如の失敗
3月6日は、不正支出疑惑で逮捕されていた元日産会長カルロス・ゴーン氏の保釈日。想像もしなかった彼の変装姿は誰もが驚き、そのニュースが世界中を駆け巡りました。ゴーン氏らしくない服装が余計な憶測を生み、報道を過熱させてしまいました。逃げている、隠そうとしている、といった悪印象を残してしまったといえるでしょう。数日後、この演出を仕掛けた弁護士が「名声を傷つけた」と自らの軽率な策略を謝罪はしましたが、写真は歴史に残ります。取り返しのつかない失敗であったといえます。外部からどう見えるのか、といった視点に欠けた演出でした。また、再逮捕後に流されたビデオメッセージにも違和感がありました。何を伝えたいのかが不明。しかもこの時にはネクタイをしていませんでした。「公平な裁判を受けたい」をもっと強く出した方が共感を得られたのではないでしょうか? あるいは公式メッセージであればネクタイをして撮影をすべきでした。
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