2019年の不祥事・記者会見を振り返りましょう。

私が最も驚いたのは、元日産会長カルロス・ゴーン氏の変装劇。最もあぜんとしたのは、第三者委員会による調査報告書を読まないで12月18日に記者会見したかんぽ生命の不適切販売問題。そして最も不快だったのは、9月27日に行われた関電の金品受領問題1回目の会見でした。

世界を驚かせた変装劇、見え方戦略欠如の失敗

3月6日は、不正支出疑惑で逮捕されていた元日産会長カルロス・ゴーン氏の保釈日。想像もしなかった彼の変装姿は誰もが驚き、そのニュースが世界中を駆け巡りました。ゴーン氏らしくない服装が余計な憶測を生み、報道を過熱させてしまいました。逃げている、隠そうとしている、といった悪印象を残してしまったといえるでしょう。数日後、この演出を仕掛けた弁護士が「名声を傷つけた」と自らの軽率な策略を謝罪はしましたが、写真は歴史に残ります。取り返しのつかない失敗であったといえます。外部からどう見えるのか、といった視点に欠けた演出でした。また、再逮捕後に流されたビデオメッセージにも違和感がありました。何を伝えたいのかが不明。しかもこの時にはネクタイをしていませんでした。「公平な裁判を受けたい」をもっと強く出した方が共感を得られたのではないでしょうか? あるいは公式メッセージであればネクタイをして撮影をすべきでした。