2019/10/28
あるある職場のハラスメント!
自分が不幸では、人に優しくできない
このまま放っておいても自分の機嫌が悪くなるばかりです。思い悩んだA支店長は、ある日の夕方、ふと思いついて、会社が用意したカウンセリングサービスに電話をかけてみることにしたのです。
「はい、こちらハートフル相談室です」
「あ、もしもし。あの…。ちょっと話したいことがあるんですが」
「話したいことがおありなんですね。このままお電話でもお聞きいたしますし、面談がよろしければカウンセリングルームの予約を取ることも可能です」
「そうですか…じゃ、今日は電話で聞いてもらおうかな」
ということで、顔も知らないカウンセラーに話をし始めたところ、相手はさすがに聞くプロ、気づけば1時間近く心の内をぶちまけていたA支店長。話を振り返ってみれば、一つ一つの困りごとに対してこれといった具体的アドバイスはなかったのですが、なんだか心の曇りが取れて、頭がすっきりしたような気分が訪れたのです。思えば、ここ数年、じっくり人に話を聞いてもらうなんて、なかったことです。
翌日出社したA支店長は、早速怒鳴りつけたBさんに、あんなことをして悪かったと謝罪。周囲は大変驚きましたが、A支店長がその後、定期的にカウンセラーと話していることは、まだ誰も知りません。
このように、パワハラの加害者は、何らかの問題を抱えていることが非常に多いようです。自分が不幸せな状況では、人に優しくできるはずもありません。一人一人のセルフケアがいかに大切か、常に意識して暮らしたいものです。
(了)
あるある職場のハラスメント!の他の記事
- 人知れず悩んでいるパワハラ加害者
- 匿名での告発には全体への注意喚起を
- 断れない立場の部下へのアルハラに注意
- 「昭和の常識」が阻む女性活躍
- その持ち物や掲示物、周りの迷惑かも
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方