猛暑続きの被災地の炊き出し現場

西日本豪雨災害(2018年7月上旬)の後、当地の炊き出しは7月11日から11月末まで行われました。特に7~9月までの3カ月間は30度以上の猛暑日が100日間中44日間、35度以上の日が25日間続いています(表)。もちろん、テントを張って炊き出しをしていますが、昼食を配る頃、照りつける日差しは目もくらむほどでした。

食中毒のリスクを避ける徹底ぶり

保健所は、さらに食中毒が起こる予感のする料理(下表の黄色の部分)を申し出た人に、その料理は「控える」ように指導しました。てっとり早く言えば「危ないから、止めた方がいいよ」という忠告で、手作りにストップをかけたわけです。現にその2年前(2016年)の熊本地震では「手作りおにぎり」で食中毒事件が発生し病院に救急搬送されましたから。

手作りする時のダメ出しと注意点(倉敷保健所)

写真を拡大 倉敷保健所の資料をもとに作成

表の緑の部分は、食中毒対策の具体例を強調している箇所です。平たく言えば、キチンとした調理室で調理を済ませて、保冷・運搬するということ。気温の高い屋外でモタモタ料理をしていると、鮮度が低下し、最悪、腐るということを避けるためです。もちろん身近の場所には冷蔵庫もありませんので。

さらに、食中毒を避け、安全安心を優先するために次の策が練られていました。想定外を減らすための保健所ならではの賢明な施策です。