2019/04/10
危機発生時における広報の鉄則
何でも相談できる広報部の確立
責任の取り方には企業風土が濃厚に出てしまいます。こうなると抜本的に改革しなければなりませんが、コンプライアンス一辺倒で迫ると、雰囲気は暗くなってしまいます。そこで広報担当者の登場です。普段から良い情報を集める仕事だけでなく、悪い情報も集める「情報センター」としての役割を果たす部署として、広報部を機能させることをお勧めします。
今回紹介したような業界慣例の不正であれば、各社広報部が連携して謝罪し、その後も世間がどう受け止めているのか、どのような対応を期待しているのかを共同で調査して、再発防止に取り組むというような発想もあっていいと思います。そのためには、前提として、まず社内の風通しを良くすることが何より重要です。
ある大手アパレルの広報部長は「何でも相談してほしい、と各部署に呼び掛けている。そうすると良い情報も悪い情報も集まってきて、クライシス対応も早くなる」と情報収集力の重要性を語っていました。
「新サービス始めるから広報でプレスリリースしてほしい。でも、バグでサービス開始が遅れるリスクもある」「取材ではどんな服装にしたらいいか。どう見えるといいのだろうか」このような日常会話の連続が社内の風通しを良くしていきます。
経営における広報の意味は「Public Relations(パブリックリレーションズ、PR)であり、人々との信頼関係を構築するマネジメントになります。広報部では、企業が外からどう見えるか常に報道をモニタリングしているため、見え方のリスク感性が高く、コミュニケーション能力に長けた人が配置されるはずであり、そうでない人も所属しているうちに感性は高まります。悪い情報も「言い方」を考えて、ソフトランディングさせる能力があります。
それを実行できる力量を、あなたの会社の広報部も持ち合わせていると期待してください。
(了)
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