連載・コラム
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近代土木建築と美術作品~土木県令・三島通庸と偉才洋画家・高橋由一~
明治政府の高級官僚・三島通庸(みちつね、1835~1888)の墓は、東京・港区南青山の青山霊園・区画1種イ9-12にある。格式を感じさせる石の鳥居の奥に、見上げるような灰白色の墓碑がある。表面には深く「正三位勲二等子爵三島通庸墓」と彫り込まれており、4段もの直方体の大きな滑らかな礎石の上に立っている。地上から5mはあろうか。天を衝くような威圧的で石塔を思わせるような墓碑であり、周囲の墓石群から突出している。通庸の墓の右側には「子爵夫人三島和歌子墓」(墓碑銘)がつつましく立っており、さらにその右には通庸の長男「正三位勲一等子爵三島弥太郎之墓」(同上)が父通庸に負けじとばかりに背筋を伸ばすように立っている。弥太郎は若くしてアメリカに渡り大学教育を受けた。後年横浜正金銀行頭取や日本銀行総裁などエリートの道を歩んだ。
2017/12/18
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日本の空港におけるセキュリティとサービスとは?
先月の連載では、旅客のための空港運営に力を入れているEUについてお話をしました。今月は、日本の空港、特に保安検査場におけるセキュリティとサービスのバランスについて説明します。 海外空港の華やかさ UAEのドバイやシンガポールのチャンギといった国際空港は、旅客へのサービスを最大限考慮してデザインされた空港と言えるでしょう。旅客動線はスムーズで、時に数時間費やすことになるトランジットも、ラウンジやショップ、キッズプレイスペースなどが充実しているため飽きません。一人でも友人とでも家族とでもいっしょに楽しめる施設が空港にたくさんあります。明るく華やかな空港に到着すると、心が躍ります。ここは非日常の世界、24時間キラキラと輝き、常に進化し続けています。
2017/12/14
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寝る前に締めて助かる命かな
「寝る前に寝室のドアを閉める習慣」を付けるだけで、火災によるやけどや一酸化炭素中毒・窒息などから命が助かる可能性が高くなる。上記の表から、火災による死因別死者発生原因のほとんどは、やけどと室内延焼時に発生する一酸化炭素を吸引したことによる窒息事故であることがわかる。 また、2013年中の火災による死者数(放火自殺者等を除く)1278人のうち、逃げ遅れが670人で52.4%を占めており、そのうちの225人(17.6%)が、「発見が遅れ、気づいたときには火煙が周り、すでに逃げ道が無かったと思われる(全く気づかなかった場合を含む)」と報告されている。
2017/12/06
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米国における BCM の実態
米国の BCM 関連情報 Web サイト「Continuity Insights」(注 1)は 2017 年 8 月に、KPMG LLP(注 2)と共同で「The 2016 Global Business Continuity Management (BCM) Program Benchmarking Study」という報告書を発表した(以下「本報告書」と略記)。これは主に Continuity Insights の読者を対象として 2015 年 11 月から 2016 年 2 月にかけて実施された、オンラインでのアンケート調査に基づいており、349 名からの回答を集計した結果がまとめられたものである。なお、回答者の 65% は米国に本拠地を置く組織に所属している。
2017/12/05
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英国規格協会が提案する「組織レジリエンス」の指標
英国規格協会(BSI)は近年、組織のレジリエンスに関する事業に積極的に取り組んでおり、2014年に世界で初めて、組織のレジリエンスに関するガイダンスとしての英国規格 BS65000を発行したのをはじめとして、組織のレジリエンスに関する様々なレポートなどを通じて普及啓発に取り組んでいる。そのBSIが組織のレジリエンスに関するベンチマーク指標「Organizational Resilience Index」を開発し、2017年9月にはその指標を用いて行った調査の結果を「BSI Organizational Resilience Index Report 2017」(以下「本報告書」と略記)として発表した。
2017/11/24
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大空から舞い降りて消火と人命救助!「スモークジャンパー」を知ってますか?
スモークジャンパーとは、1934年に米国ユタ州とソビエト連邦で組織された山林火災初動部隊だ。現在は全米で430名のスモークジャンパーが活躍している。 主な任務は、山林火災の初期消火隊としていち早く火点へ飛び、パラシュートで降下し、延焼拡大を阻止すること。もちろん同時に行方不明者の人命検索や負傷者の救急救助も行うため、パラメディックの資格と技術も持ち、山岳レスキューのトレーニングも受けているため、消防界のエリート集団と呼ばれている。
2017/11/22
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9 年間にわたって続けられている BCI のサプライチェーン・レジリエンス調査
本連載では、BCM の専門家や実務者による非営利団体である BCI(注 1)による調査報告書を度々とりあげているが、これらの中で特に Supply Chain Resilience Report は、最も長期間にわたって継続的に発表されているものであり(注 2)、ここ数年は毎年 11 月上旬にロンドンで開催される、BCI World Conference & Exhibition で発表されるのが恒例となっている。今年も例年通り、11 月の Conference にて 2017 年版(以下、「本報告書」と略記)が発表されたので、今回はこちらを紹介する。
2017/11/15
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戦前・戦後の2人の知性派都市計画家~その苦悩と実践~
工学博士・直木倫太郎著「技術生活より」(東京堂)は、土木学会が選定した「戦前土木名著100著」の中でも異色の書である。奥付によると同書は大正7年(1918)3月3日発行とあり、約100年前の刊行である。この「激烈」な「名著」は、土木技師としての日ごろの鬱々(うつうつ)たる苦悩や怒りを歯に衣を着せずにぶちまけた私憤の思索集である。なぜ技術専門書とはおよそ内容を異にする「異端の書」が戦前の名著100著に選定されたのだろうか。同書の背後に一貫して流れる氏の祈りのような技術者倫理を感じとらなければならないが、まずは著者直木倫太郎(1876~1943)の人生を略記する。
2017/11/13
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