2025/01/11
防災・危機管理ニュース
【シリコンバレー時事】米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の複数箇所で発生した山火事を巡る陰謀論がSNS上で拡散されている。著名陰謀論者が、火災が一部勢力に仕組まれたものだとX(旧ツイッター)に投稿。実業家イーロン・マスク氏も同調した。消火活動、避難誘導に当たる当局者らに対する中傷もやまない状況だ。
「経済戦争と脱工業化をたくらむグローバリストの陰謀の一部だ」。アレックス・ジョーンズ氏は今回の山火事発生の翌8日、Xに投稿した。同氏は、東部コネティカット州で2012年に起きた銃乱射事件を「作り話」と主張したことで知られる。トランプ次期大統領の支持者でもある。
マスク氏は同日、返信欄で「真実だ」と応じた。ロサンゼルス市消防当局の女性幹部が同性愛者であるとの利用者の投稿を拡散。利用者による「女性が消防隊員になるべきではない」といった批判もたきつけた。初動対応が十分だったのかといった責任追及とは別に、個人攻撃が激しさを増している。
カリフォルニアは、民主党支持者の多い州の一つ。トランプ氏は自身に反発してきたニューサム知事(民主)の失脚を狙い、環境保護のために水の供給を絞ったと批判した。ただ、知事側はこうした主張は誤りだと反論している。
山火事は7日から発生・拡大し、当局などによると、少なくとも11人が死亡。バイデン大統領は10日、ホワイトハウスで記者団に「(死者数は)増える可能性がある。安否不明者が多数いる」と語った。家屋などの建物も1万棟前後損壊したとみられる。消火活動が進展し延焼が食いとめられ、避難命令が解除された地域が増えているが、天候の変化で再び火の手が拡大するリスクがある。
〔写真説明〕10日、米西部カリフォルニア州マリブで、山火事により焼失した海岸沿いの民家(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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