より良い情報を届けたい。
認知を広げたい。
そんな思いでSNSを活用する医療機関が増えています。しかし、時としてそれが大きな波紋を呼び起こします。あるクリニックで起きた炎上は、その後の対応も誤り、事態は悪化の一途をたどりました。このケースを取り上げ、SNSでこそ重要になる謝罪3要素を含めた紹介します。
発火点はインスタグラム
「いざ解剖研修@グアム!→打ち上げ☆」「いざ Fresh cadaver(新鮮なご遺体)解剖しに行きます!」「頭部がたくさんあるよ」
2024年12月初旬、東京美容外科の黒田あいみ医師がインスタグラムに投稿した献体解剖の様子が大きな騒動を引き起こしました。
この美容外科医師は、グアムでの解剖研修の様子を写真付きで投稿しました。その中に、解剖が行われている様子を背景に複数の医師らが並んで撮影した記念写真がありました。それは笑顔でピースサインを見せ、まるで観光旅行のような雰囲気でした。
さらに深刻だったのは、解剖中の献体の頭部画像でした。
医学の発展のために提供された献体であるにもかかわらず、一部ではモザイク加工が不十分なまま公開されました。
一連の投稿は、故人とその遺族のプライバシーを著しく侵害するなどとしてSNSを中心に大きく炎上します。
炎上を受けて美容外科医師は投稿を削除し、「美容・アンチエイジング専門医 Dr.黒田あいみ Official Blog」で以下のような謝罪文を掲載します。
グアムでの解剖研修の投稿について
グアムでの解剖研修においての投稿で
皆様に不快な思いをさせてしまって
大変申し訳ありませんでした。
写真に写ってしまったご遺体は
全てモザイクをかけていたつもりでおりましたが
一部出来ていないところがありましたこと、
また
医師でありながら人としての倫理観が欠如した投稿をしてしまったことについて
心からお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。
「美容・アンチエイジング専門医 Dr.黒田あいみ Official Blog」より
しかし、この謝罪文の中で以下のような「言いぶん」も織り交ぜてしまいます。
医師として
解剖の知識とスキルの向上のために
新鮮なご遺体で解剖させて頂ける機会、
というのは非常に稀で、
基本的には日本ではできません。
私は、医師としてより向上し、
患者様の満足度をよりあげるため、
今回の研修に参加することにしました。
(中略)
実際私は参加させていただいて
大変多くの学びがあり
既に日々の診療に生きています。
より安全でいい治療ができている、
と確信しています。
「美容・アンチエイジング専門医 Dr.黒田あいみ Official Blog」より
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