財務省は10日、関税局調査課の職員が違法薬物の密輸入に関する犯則調査の嫌疑者ら187人の個人情報が記された行政文書を紛失したと発表した。これまでのところ見つかっていないが、情報が悪用されるなどの被害は確認していないという。同省は「税関行政に対する信頼を大きく損なうもので、深くおわびする」としている。
 職員は6日、横浜税関で打ち合わせし、嫌疑者らの住所や名前などが書かれた文書を受領。就業後の午後6~11時、横浜税関職員らと横浜市内の飲食店でビール9杯を飲むなどした。帰宅中の7日午前0時ごろ、JR錦糸町駅で下車時に紛失に気づいた。職員や部下の個人情報が含まれる執務用パソコンもなくしたという。
 同省は職員について事実関係を確認の上、厳正な対処をすると説明。機密情報を扱う際はセキュリティー対策を講じた上での電子送付を徹底するとしている。 
〔写真説明〕横浜税関=横浜市中区

(ニュース提供元:時事通信社)