【ベルリン時事】オーストリアで29日、国民議会(下院、定数183)議員選挙が実施され、反移民を掲げる極右・自由党が3割弱の票を獲得して初めて第1党となった。ただ、他党は協力に否定的で、自由党主導の政権が誕生する可能性は低い。
 キックル党首は「われわれは歴史の一部を記した」と支持者に語った。自由党は1956年に元ナチス親衛隊将校が創設。選挙戦では移民の送還強化や減税を訴えた。欧州連合(EU)に批判的で、ウクライナに侵攻するロシアに対する制裁に反対している。
 与党の中道右派・国民党は敗北し、第2党に転落。しかし、連立交渉では主導権を握る見通しで、引き続き政権を率いる公算が大きい。 
〔写真説明〕投票後の選挙集会で手を振る極右・自由党のキックル党首=29日、ウィーン(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)