政府は21日、生成AI(人工知能)と知的財産権に関する検討会で、開発企業が他人の登録商標などをデータ学習させた際でも、商標権やデザインを保護する意匠権の侵害には当たらないとする中間とりまとめの骨子案を示した。4月末にも決定し、2024年度の知的財産推進計画に盛り込む方針だ。
 クリエイターによる具体的な表現に至らない「作風」は、著作権法による保護の対象外とした。合成音声を生成するAI開発で用いられる声優などの「声」については、肖像権で保護される可能性は「高いとは言えない」と指摘した。
 一方、公正な企業の競争を促す不正競争防止法の規制対象となり得る例として、データ学習段階で営業秘密などを不正に取得・活用する行為を挙げた。
 学習に用いられるデータの権利者保護策として、契約に基づく対価還元が「コンテンツ創作の好循環実現の観点から意義がある」と指摘。著作権の保有者に「期待される取り組み」として、AI開発企業と提供に関する契約の締結を掲げた。 

(ニュース提供元:時事通信社)