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第2回:スポーツ・インテグリティ
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2022/01/14
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンス
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
前回、私たちがスポーツを観て感動できるのは「スポーツ・インテグリティ」と呼ばれるものの存在があるのではないかということをお伝えしました。いわばスポーツの感動の源泉としてのスポーツ・インテグリティです。
それでは、スポーツ・インテグリティとはどのような概念なのでしょうか。連載第2回の今回は、スポーツ・インテグリティについてご紹介していきたいと思います。
integrity(インテグリティ)という言葉を『Oxford Advanced Learner’s Dictionary 10th Edition』(オックスフォード大学出版局)で引くと、1として「the quality of being honest and having strong moral principles」(筆者訳「誠実であり、強い道徳的信条を有しているという性質」)とあり、2として「the state of being whole and not divided」(筆者訳「完全であり、分割されていない状態」)とあります。
また、同語を『リーダーズ英和辞典第3版』(研究社)で引くと「正直、廉直、高潔、誠実;健全;完全、無欠(の状態)、全一性」などと記載されています。
これらのことからお察しいただけるかと思いますが、日本語において、integrityという英語にぴったりと当てはまる言葉を見つけることは困難であるといえそうです。私たちは言葉を用いて思考しますから、言葉がないということは、integrityに相当する概念が、少なくともこれまで日本文化には存在してこなかったといっていいように思われます。
そこで、integrityについては、いろいろな訳があり得るところですが、説明的な日本語にするとすれば、インテグリティとは「(主として倫理的・道徳的な観点で)物事があるべき理想の完全無欠な状態にある姿・状態」ということができるのではないでしょうか。
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