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企業での採用業務は多くの手作業を必要とする。そこで、この作業を軽減し、効率化することにはニーズがある。多数の応募者から自社が求める人材を効率的に選別し、選別された人材をより時間をかけて精査することが、より自社に合った人材を効果的に確保することにつながるかもしれない。こうしたニーズは、採用プロセスにAIを活用することを必要とさせる。

AIのメリット・デメリット

とはいえ、採用でAIを活用することにはメリットとディメリットがある。それを十分に認識した上で活用することが必須条件となる。

もっとも大きなディメリットは採用での公正さを求める法的な規制に違反することである。もっとも、これは採用だけに限ることではなく、すべてのAI活用において心掛けなければならないポイントである。

規制の動向を知る

アメリカでは現在、雇用業務でのAIの使用に向けた単一の連邦法はないという。しかし、先進的な動きを見せる州レベルでの規制は現れている。将来的なリスクを考えれば、こうした規制の動きを知って、対処することは必要条件となろう。そこでは、不注意で特定の条件をアルゴリズムに採用することで、特定の従業員そして応募者を差別することを防止するために、透明性を要求している。

したがって、人的資源管理者には、AI活用では起こりうる、意図しない偏見や特定の人たちを不利に扱いかねない可能性を、活用するデータ、アルゴリズムを定期的にチェックすることで法的な規制や法の精神を遵守するための組織的な体制を整えることが求められている。

また、もう一つ、採用ではとくに個人情報を扱うので、データ・プラバシーとセキュリティを厳密に確保することも重要となる。機密性を維持した上でのAI活用が不可欠である。