コーポレート・インテグリティが求められている
第11回:スポーツ・インテグリティとコーポレート・インテグリティの結節点
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2022/05/18
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンス
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
これまでの連載では、私たちがスポーツを観たときに得られる感動の源泉には、スポーツ・インテグリティと呼ばれるものの存在があるのではないかという意識を起点にして、主として、スポーツ、スポーツ団体、オリンピック等とスポーツ・インテグリティとの関係を考察してきたところです。また、それを通して、スポーツ界の現状や取り組みについても適宜ご紹介してきました。
社会により生かされ、育まれているスポーツは、その基盤たる社会からの信頼・応援を失わないよう、「スポーツのあるべき姿としての価値ある高潔な状態」たるスポーツ・インテグリティを志向し、またそうすることが求められているといえます。
このようにスポーツ・インテグリティを考えるとき、民間企業においても同様のことが当てはまるのではないかという考えが浮かんできます。この考えこそが、スポーツ・インテグリティという概念を手がかりにしつつ、近時の企業経営・組織運営において重視されているガバナンスやコンプライアンスについて、そのあるべき姿を探っていくという本連載の試みの起点であり、根底にあるものです。
連載第11回となる今回は、スポーツにおける問題意識と民間企業における問題意識とが重なるとき、つまり、スポーツ・インテグリティとコーポレート・インテグリティの結節点について、触れていきたいと思います。
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンスの他の記事
おすすめ記事
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方