コーポレート・インテグリティ総まとめ
第15回:コーポレート・インテグリティの実践・具現化に向けて
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2022/07/13
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンス
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。2006年慶應義塾大学文学部人文社会学科人間関係学系社会学専攻卒業、09年同大学大学院法務研究科法学未修者コース修了、10年弁護士登録、21年公認不正検査士(CFE)認定。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
本年1月5日から開始した本連載「スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンス」ですが、何とか上半期を乗り越え、今回で第15回を迎えることができました。読者の皆様に深く感謝申し上げます。
本連載の目的は、スポーツ・インテグリティという概念を手がかりにしつつ、近時の企業経営・組織運営において重視されているガバナンスやコンプライアンスについて、そのあるべき姿を考えていくというものでした。これまでに、スポーツ・インテグリティの概念やその実践例を考察・ご紹介しつつ、それを手がかりにして、コーポレート・インテグリティについて思索し、お伝えしてきたところです。
スポーツ・インテグリティ、コーポレート・インテグリティをはじめとする事項について総論的に概説することを通して、コーポレート・インテグリティの手段・方法としてのあるべきガバナンス、コンプライアンス論に踏み込んでいくための準備は整ったように思います。
そこで、連載第15回となる今回は、今後の連載への架け橋となるようこれまでのまとめをさせていただきます。
インテグリティとは、「(主として倫理的・道徳的な観点で)物事があるべき理想の完全無欠な状態にある姿・様子」といえます。
これを前提にして、スポーツ・インテグリティ、そしてコーポレート・インテグリティを考察してきたわけですが、両概念についてまとめると、次の表のようになります。
このように、スポーツや企業は、いずれもが社会により支えられ、生かされた存在であって、その存続のためには、社会からの信頼・応援が必要不可欠となります。そして、その社会からの信頼・応援の獲得・保全のための必要不可欠な基盤・前提が、スポーツ・インテグリティであり、コーポレート・インテグリティなのです。
スポーツから学ぶガバナンス・コンプライアンスの他の記事
おすすめ記事
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方