まとめ

従業員への注意喚起は、工夫を凝らせばまだまだ改善の余地がある分野のはずです。何の情報を伝えたら良いのか悩まれるかもしれませんが、そうした場合には気象庁や国土交通省などが無料で公開する情報を引用しましょう。

例えば大雨になるような場合には、気象台から「気象情報」が発表されるのでそうしたものをそのまま利用するのも一つの方法です。「気象情報」の中には次のような図形式のものもあります。図形式では要点が比較的わかりやすくまとめられているので、従業員に対して注意すべき時間帯などを伝えやすいと言えるでしょう。

▼気象情報(気象庁のホームページ)
https://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

画像を拡大 図6. 気象庁の府県気象情報(図形式)から引用した例。台風の最接近の時間帯や波が高くなる時間帯、大雨が見込まれる時間帯などの概要を把握することができる

台風や梅雨前線などによる大雨の際には気象庁の本庁や管区気象台などが記者発表も行いますので、その資料をうまく引用して従業員に注意喚起を行うのも有効な手立てだと思います。記者発表で使われた資料は各ホームページに掲載されるので、探すようにしてみてください。

画像を拡大 図7:台風の接近に先立って行われた気象庁の記者発表資料。特別警報発表の可能性や、避難すべきタイミング(「暴風が吹き始める前の6日の午前中に避難」)などが伝えられている(出典:気象庁ホームページより)

自社で防災マニュアルを準備されている場合には、要点の抜粋や関連ページへのリンクなどをメッセージの中に加えておけば、個々人がマニュアルを開いて確認する手間がなくなります。小さな工夫の積み重ねではありますが、注意喚起は出すことよりも中身が重要なので、より効果的な注意喚起のコンテンツとは何かという視点で改善策を練っていただければと思います。