2021/08/06
危機管理担当者が最低限知っておきたい気象の知識
③被害が起こったときの対応を含めて分かりやすく確実に伝える例
災害時のメッセージに関する3つ目の工夫点は、被害が起こったときに何をすべきかまで含めておく例です。次の図はオランダのマーストリヒト市役所が水害対応の特設ページに掲載していたものです。ここでは「いつ市役所に電話するか?」と題した見出しの中に、ピクトグラムを使った図が取り入られています。
この図は消防が作成したものですが、自分で対処すべきこと(Zelf regelen)、市役所に連絡すべきこと(Bel je gemeente)、緊急用ではない番号で消防署に連絡すべきこと(Bel 0900-0904)、緊急の電話番号を使って消防に連絡すべきこと(Bel 112)が分かりやすく整理されています。例えばトイレから水が吹き出したり、自宅が浸水したりしたときには自己対処、自分で安全を確保できないときは緊急通報の112番(日本の119番や110番に相当)といった具合です。
企業の防災対策で言えば、どの規模の被害が発生したときに誰がどう対処するかなど、こうした図を参考にして事前に整理し、災害が見込まれるときに随時シェアしていくのはどうでしょうか? そうしておけば、復旧活動を取らなければならないときの混乱をある程度減らすことができるのではないかと思います。
危機管理担当者が最低限知っておきたい気象の知識の他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方