地域のニーズに応えられる企業

東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町の旧市街地には、店も工場も無ければ住宅もない。平坦な土地が海から山際までただただ広がり、ところどころで盛土などの工事が行われている。町の計画によれば、防潮堤の整備や盛土などは28年度までに終わらせ、30年度までに新たな市街地を整備する。最大の課題は産業の復興だ。働き先がなければ、住民は町を去る。東日本大震災前は1万5000人だった人口が、震災後は1万3000人にまで減った。実際には1万人を割り込んでいるとの見方もある。震災により人口減少、高齢化を数十年分も先取りしてしまったこの地域での企業の存続は厳しい。それでも再生に向けた取り組みは始まっている。そこから学べることは、地域への貢献が、いかに事業継続において重要かということだ。震災後3年を経過した大槌町の産業復興の試みを取材した。

 ◆解散の危機からの復興釜石地方森林組合
 ◆悲しみを乗り越え水産業を守る ど真ん中・おおつち協同組合
 ◆2台のバスで地元ニーズに応える 有限会社城山観光
 ◆被災地におけるコミュニティビジネス 一般社団法人おらが大槌夢広場