コロナ禍でも危険地域からは避難

「避難」については、内閣府防災担当から出されている「新型コロナウイルス感染症が収束しない中における災害時の避難について」が分かりやすいです。

新型コロナ禍であっても危険な場所にいる人は、避難することが原則です。避難とは「難」を「避」けることなので、安全な場所にいる人まで避難場所に行く必要はありません。

そこで重要になるのが、自分が危険な場所にいるのかどうかということです。ハザードマップが重要になりますよね。

ということで、りすが登場いたします。

台風19号の時、ハザードマップをWeb上で確認しようとしたら、サイトに負荷がかかって閲覧に時間がかかって見ることができなかった人もいます。ハザードマップは紙、もしくはあらかじめのダウンロードがおすすめです。

江戸川区のハザードマップはとても分かりやすいです。でも、分かりにくい地域もあります。先日オンラインで講演した地方都市のハザードマップでは、7ページまで進むとやっとカッコ書きで(※浸水想定区域図の前提条件は12ページをご確認ください)とありました。で、Web目次から12ページを選んでみてみると、前提条件は「1000年に一度の雨の確率で発生する大雨」と書かれていてがっくりきました。RPGの隠しアイテムを探していたらたどり着いた宝箱には何もなかった、みたいな感じです。1時間降水量や積算雨量などの数字が書いていないので、1000年に一度の想定降水量について、さらに他の資料で調べなければいけない情報でした。

分かりやすいハザードマップについての過去記事はこちら。

■思わず見てしまうハザードマップ紹介
 今年のハザードマップ大賞はどこ?
https://www.risktaisaku.com/articles/-/22573

次に、避難の危険について書きました。

講演をしていると、ひもスニーカーをはけば浸水していても歩けるから、ひもスニーカーさえ持っていれば大丈夫という大いなる誤解に数多く出あいます。自治体情報でも「ひもスニーカーで避難しましょうという」情報が増えているので、勘違いを助長しているのでは?と、とても心配しています。

浸水しているなら、避難行動としてはすでに遅い可能性があります。本来は浸水する前に避難するべきです。だから、ひもスニーカーで逃げなければと思う状況は、そもそも逃げ遅れなのではないでしょうか。外に出られるケースではなく、垂直避難を検討してほしいです。

なぜなら、水圧は流れがあると強くなりますし、足腰の弱い高齢者がひもスニーカーを履いたところで、浸水した中を十分に歩けるとは思えません。また、ひもスニーカーの素材によっては保水する形で濡れるので、体が冷えます。6月以前や秋の雨は寒いので低体温症の危険もあります。同様に、つえがあればマンホールのふたが開いていても大丈夫と誤解している人も多いので、早めの避難が前提になることを強調したマンガになっています。

そして避難できる状況で浸水した道を歩くのであれば、ウオーターシューズの方がひもスニーカーよりおすすめです(特に体が冷えないネオプレーン素材)。浸水していない段階で、通常の雨風程度の早めの避難であれば、長靴も使えます。何を履くかの情報がビジュアルでわかりやすいので報道されやすいですが、それよりも いつ避難するのかという時期や場所の情報の方が重要です。浸水したらどんな靴でも困難が伴うことを知っておいてください。

■洪水避難に、『長靴→×』『運動靴→○』と覚えないで!『○×式』の発想がかえって危険に! ビジネスシューズにしか見えない雨の日におすすめの靴
https://www.risktaisaku.com/articles/-/3717