今日を愛し、明日に備える水害避難マンガできました。シェアフリーですので、皆さんの防災レクチャーにご利用いただけます。

作成したのは、江戸川みんなの防災プロジェクト(EMINBO)です。
http://edomb.wp.xdomain.jp/program/manga

マンガ制作のきっかけは2019年10月の台風19号でした。江戸川区では荒川と江戸川がゼロメートル地帯に流れており、台風19号では荒川が氾濫危険水位に迫りました。台風19号のときの様子は過去の記事を参照してください。

■台風で早期避難、自立生活センターの苦悩
 江戸川区自立生活センターSTEPえどがわの取り組み
https://www.risktaisaku.com/articles/-/21231

「江戸川みんなの防災プロジェクト」の事務局メンバーも、前日に江戸川区から出て避難した人や避難したくても、出産直前の家族がいたり、バリアフリーの避難先が見つからなかったり……とさまざまな葛藤があったそうです。この時、「江戸川ワーキングマザー交流会」による子育て世代のアンケートではこんな声がありました。

<避難について>
・早期避難を実施したが、小さい子を連れて江東5区から出るのは大変
・避難のタイミングが本当に難しかった。このタイミングで避難すると決めたものの、とても不安だった
・ハザードマップの説明会が夜間だったため、出られなかった。小さな地区ごとに説明会&意見交換会があれば、地域の皆さんとつながるきっかけにもなると感じた
・早期避難を実施したが、混乱状態の場合は乳幼児連れで出ない方がいいのかとも感じた
・小学生がいるので、慣れている小学校に避難できると思うと安心感が得られた。実際に避難はしなかったが、避難所の職員さんに女性の方もいてほしいと感じた
・広域避難を3カ所検討していたが、どこも被害に遭っていたため見直しが必要と感じた
・お昼ごろに早期避難を検討し避難所を見に行ったが、高齢者がほとんどで静かに過ごしており、こどもたちを連れていく勇気がなくなった(その後、避難者が増え、乳幼児用の部屋ができたと聞いた)

<自宅待機について>
・自宅待機を選択したが、たまたま子どもが熱を出し、停電断水し、不安で押しつぶされそうだった。防災講座でつながったライングループで、各地域や家庭の状況把握ができて心強かった(子どもの体調不良・急なおねしょなどがあったという方が複数名いた)


「江戸川ワーキングマザー交流会」アンケートより抜粋(対象:乳幼児〜小学生の子を持つママ20人前後で未就園児なし)

そんな経緯から、みんなで助かるために、地域で大規模水害からの避難を考えたいと思い、このマンガを作成することになったそうです。

私は監修でお手伝いしており、もう一人の監修者は、マンガの雲博士のモデルになっている、雲研究者・気象研究所研究官・学術博士の荒木健太郎さんです。